勉強がしやすく目を守る学習用デスクライトの選び方
リビング学習にせよ、子供部屋に学習机を用意するにせよ、快適な学習環境づくりには、机や椅子と同時に、照明選びも大切な要素です。明るさが適切でないと、知らないうちに目に大きな負担をかけてしまいます。お子さんの目を守るためにも、できるだけ目に優しいデスクライトを選んであげたいもの。おすすめのデスクライトをご紹介します。
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1:デスクライトの光源は何がいい?
デスクライトの光源(電球と同じとお考えください)でよく使われるのは、LED、蛍光灯、白熱灯の3種類です。現在はLEDが主流になっており、蛍光灯と白熱灯は、学習用デスクライトにはほとんど使われなくなりました。
LED登場初期のころは、蛍光灯に比べてLEDは演色性(後述)が低いといわれていましたが、いまの製品は、その心配がほとんどありません。白熱灯や蛍光灯にしたいときは60W型がおすすめですが、明るさや省エネ、紫外線の少なさ、耐久性、デザインを含めた選択肢の広さなどを考えると、LEDデスクスタンドから選ぶほうがいいと思います。
2:学習用デスクライトのチェックポイント
●幅広シェードのものがいい
大人がちょっと本を読んだり何かの作業をしたりするのであれば、光が集中していても大きな問題にはなりませんが、教科書やノートなどを机の上に広げる学習時には困ったことがおきます。机の上に明るい場所と暗い場所ができてしまうと、視点を移動させるたびに目の瞳孔を開いたり閉じたりすることになりますから、目の疲れに直結してしまいます。だから、なるべく作業スペース全体に光が広がってほしい。
その点で有利なのが、オカムラの「プレール」 のように、大きなランプシェード(ランプの傘)をもったデスクスタンドです。このタイプは、小さなLEDを多数とりつけたり、光の拡散板や反射板で光を広範囲に拡散させるものが多く、光が集中することなく、均一に面を照らしてくれます。大きなランプシェードを持ったデスクライトは、幅広タイプが一般的です。
小さめでスタイリッシュなシェードでも、ヤマギワの「レビオ」 のように、特殊な工夫で光を拡散させるタイプもありますが、そのぶん、値段も高くなります。一般的には、幅広タイプか、円形でもシェードの大きめのタイプを選ぶといいでしょう。
●明るすぎるものに注意
照明の明るさを示す指標には「照度=ルクス」と「光束=ルーメン」があります。照度(ルクス)は実際に照らされた面の明るさのことで、学習時の明るさは、750~1000ルクスくらいが適切と言われています。ただし、この指標は製品スペックにはあまり表示されません。使用状況によって大きく変わるからです。
よく使われているのが光束(ルーメン)です。こちらは照明が発した光の量を表すので、性能を表す指標として表示しやすいのです。
とはいえ、どちらの指標もあまり気にすることはないと思います。学習用をうたったデスクライトの場合、明るさに関しては申し分のないものがほとんどです。実際に単独で使ったときに、ちょっと暗いかな、と感じても、リビングやダイニングの部屋全体を照らす照明(150~500ルクス)と組み合わせれば、適切な明るさと言われる750~1000ルクスは十分に確保できます。
むしろ、学習用LEDデスクライトの場合は、明るすぎるものに注意したほうがいいでしょう。デスクライト直下が明るいと、いくら天井照明などを使っていても、デスクの中心は明るすぎる一方で端のほうは相対的に暗く見えてしまいます。机の上に教科書や参考書、ノートを広げていると、視線の移動が増えますから、そのたびに目の瞳孔が閉じたり開いたりします。すると、目が疲れやすくなるのです。
学習環境の照明にとって大切なのは、明るさよりも、机の上の明暗の差が小さいことです。小さなLEDを複数使ったタイプがおすすめなのも、明暗の差が小さくできるからです。
●演色性は高いほうがいい?
「演色性」とは、照明でものを照らしたとき、どれくらい自然光に近い色を再現しているかという指標です。太陽光はこの値「Ra」が100。つまり、この値が100に近いほど、自然の光に近い照明といえます。
LEDは演色性を高めるほど、消費電力当たりのLEDの光束(ルーメン)が小さくなるという性質があり、価格が高くなります。多数の高演色LEDを使い、目に優しいというデスクライトが総じて値段が高くなるのも、これが理由のひとつです。
一般にRaが80以上なら、演色性が良いと言われており、学習用ではそれ以上がJIS(日本工業規格)で指定されています。BenQ「 新型 MindDuo」 やヤマギワの「レビオ」 など、Ra95以上のデスクライトもあります。製品によっては表示していないデスクライトもありますが、市販の学習用LEDデスクライトの多くはこの基準をクリアしています。ある程度の価格の製品を購入すれば、演色性については問題になることはないでしょう。
●ちらつき対策
LEDの点灯方式には「ダイナミック点灯方式」と「スタティック点灯方式」のふたつがあり、多くのデスクライトはダイナミック点灯方式を採用しています。
これはLEDを一定の周波数で高速に点滅させる方式です。高速で点滅させるため、連続して光っているように見えるわけです。
ずっと直流電流(DC)を流し続けてちらつきを原理的にゼロにしたスタティック点灯方式を使ったデスクライト(オカムラ「プレール」など)もありますが、主流はダイナミック点灯方式です。ダイナミック点灯方式は、スタティック点灯方式に比べて消費電力が少なく、LEDの寿命が長くなるからです。また、点滅させる周波数を変えることで、明るさを調節できるメリットもあります。デスクライトの多くがこの方式を採用している大きな理由です。
点滅させる周波数が低いと、目の疲れの大きな原因となるちらつきが気になりますが、目に優しいことをうたっているデスクライトの場合、たいていはちらつきが目立たないよう対策が施されています。ただ、廉価版の中にはちらつき対策をしていないライトもあるので、注意してスペックを見るといいでしょう。カタログやホームページで「ちらつき対策」の文字が入っているものであれば、安心して購入できます。
●多重影対策
「ちらつき」とともに、目の疲れの原因になるのが複数のLEDを使ったデスクライトで見られる「多重影」です。デスクライトで手元を照らすと、どうしても手や鉛筆などの影ができます。この影がひとつではなく、いくつもの影が重なってグラデーションのようにできてしまうのが「多重影」です。
LEDは光の直進性が高く影が濃く出やすいため、複数のLEDを使って影を目立ちにくくしていますが、光源が複数になるため、この多重影ができやすいと言われています。多重影ができると、教科書やノートの文字がたいへん見づらくなり、ストレスを感じてしまいます。
このため、学習用や事務用のデスクライトで「目に優しい」をうたった製品は、光の拡散板や反射板などを効果的に配置して、この多重影を目立たなくするような工夫が施されるようになりました(たとえば「山田照明 Z-LIGHT Z-10R」)。とはいえ、中には対策が不十分な製品もあるようですから、LEDデスクライトを選ぶときは、「多重影対策」が施されているかどうかをチェックするといいでしょう。
●調光機能と調色機能(色温度)
光の量を変化させる機能が調光機能です。明るすぎるデスクライトでも、調光機能があれば適切な明るさに調節できて便利です。高級なLEDデスクライトの多くがこの機能を持っています。ただ、しっかりと設計されたデスクライトであれば、別になくても困らないと思います。
調色機能とは、色温度を変化させる機能です。色温度とは、光源が発する光の色を数値にして表す尺度のこと。単位として「ケルビン」(K)が使われ、数値が上がるほど色が青っぽくなり、低いと赤に近づきます。たとえば、電球によくある昼白色で5000ケルビン前後、白熱灯で3000ケルビン前後と言われています。
一般的に色温度が高いほうが集中して行う作業に向いており、リラックスするには色温度が高すぎないほうがいいと言われます。調色機能がついているデスクライト(たとえば写真のBenQ 「新型 MindDuo」 )の場合、勉強の内容や体調に合わせて、適切な環境を作れるというわけです。これはかなり便利かもしれません。
ただ、調色機能だけがついたデスクライトはほとんどありません。たいていは調光機能とセットになっています。
あれば便利ではありますが、総じて価格は高くなりますし、機能が増えるということは、操作がそのぶん複雑になるということでもあります。また、どちらも不可欠の機能ではないので、「あればいいな」程度の気持ちでデスクライト選びをするといいでしょう。
●操作性
操作性に関しては、子どもが使いやすいものを選ぶのがいちばんです。調光機能や調色機能、USB充電機能など、様々な機能がついていても、表示やボタンの位置がわかりにくければ意味がありません。
シェードの上に電源スイッチのある製品も多いですが、椅子に座った状態で手が届かないと、使うのが面倒になります。調光機能や調色機能についても、スイッチが使いやすい位置にあるかどうかを確認しましょう。また、調節機能については、いまどの段階にあるのか、わかりやすい表示の製品を選ぶといいでしょう。
●アームの形状と耐久性
デスクライトの形状は、 Z型(例:「デスクライト 7x」)とT型のふたつが主流です。Z型はアームを動かしてランプシェードを目的の位置に調節できます。T型は、ランプそのものを動かして明かりの位置を調節します。
どちらのタイプが使いやすいかはケースバイケースです。机の広さや子どもの体格、インテリアなどに合わせて選べばいいでしょう。
Z型、T型ともに、デスクライトの耐久性は総じて価格に比例します。Z型には金属製アームを使ったものがありますが、金属製だからといって耐久性が高いとは限らず、工作精度や構造に左右されます。LEDデスクライトの価格は、本体がどれだけ手間をかけて製作されているかで決まると言っていいでしょう。
●設置方法
机の上に置くタイプと机の端にクランプで固定するタイプのふたつがあります。机が広ければどちらのタイプを使っても大丈夫です。作業スペースを少しでも広くとりたい場合は、クランプでコツするタイプが向いていると思います。
クランプで固定する方式の場合、机の天板の厚さをはかり、デスクライトのクランプではさめるかどうかを確認してください。特に、先にクランプ式デスクライトを購入してから学習机を購入するときは、注意が必要です。
3:子どもの目にやさしいおすすめデスクライト
オカムラ PRELE(プレール)
小出力のLEDを多数並べて光源の面積を広げ、拡散板を使用することで机全面をカバー。同程度の明るさのライトに比べてまぶしさが減り、多重影もおさえています。また、ブルーライトを45%以上カットし、子どもの目の健康に配慮。原理的にチラツキのないダイレクト点灯を採用し、消費電力10Wと少ないのも特徴。演色性はJIS基準を高いレベルでクリア。クランプタイプ。
価格 | 20,240円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | クリアホワイト ブラック |
取り付け方式 | クランプ式 取り付け可能天板:15〜32mm |
ヤマギワ Rebio(レビオ)
高い評価を受けていた「バイオライト」の遺伝子を引き継いだデスクライト。特に文字の読みやすさにこだわり、明るさや光の色に頼らず、読みやすい光を実現。コントラストが高く、小さな文字も読みやすく、目の負担を軽くします。演色性はRa97。学習用とはうたわれていませんが、学習にも最適。高価ですが、一生もののデスクライトとなるでしょう。
価格 | 50,600円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ホワイト ブラック |
取り付け方式 | 据え置き クランプ式もあり |
BenQ「新型 MindDuo」
子どもの勉強を第一に考えたデスクライト。照射範囲が95cmもあり、教科書などを広げた机の上を均一に照らしてくれます。照らす範囲が広いので、人が並んでも大丈夫。リビング学習にもうってつけです。演色性はRa97。明るさは自動調節。調色機能もついていて便利です。
価格 | 34,800円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ホワイト |
取り付け方式 | 据え置き |
山田照明「Z-LIGHT Z-10R」
伝統の「Zライト」。色の再現性を向上させるため、Ra90以上のLEDを採用。美術館や医療現場で求められる基準をクリアしています。小さな光源であるLEDの特徴を生かして極薄のフォルムを実現。多重影も効果的におさえています。価格もリーズナブル。これも大人になるまで使えるデスクライトです。
価格 | 11,870円~(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ブラック シルバー ホワイト |
取り付け方式 | 据え置き クランプ |
BALMUDA「The Light L01A」
手術灯で国内No.1のシェアを誇る山田医療照明と共同開発したデスクライト。手術灯をベースに離れた場所から広く手元を照らす「フォワードビームテクノロジー」を採用し、視線の向く方向に影を作りません。太陽光に近い波長のLEDを採用し、演色性はRa97以上。鮮明な色が美しい。状況に応じて細かく明るさを調節できる調光機能も搭載し、鉛筆や鋏などの文具を入れるツールボックスもついています。
価格 | 39,600円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ブラック ホワイト ベージュ |
取り付け方式 | 据え置き |
「自然光デスクライト」
長時間使用しても目が疲れにくいデスクライト。太陽光に近いLEDを採用し、演色性はRa95を達成。明るさとともに、色温度2700K~6500Kまで無段階で変化させられる調色機能がついており、設置場所や時間帯、勉強の科目などに応じて光の色を変化させられて、とても便利です。
価格 | 13,990円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ブラック ホワイト |
取り付け方式 | 据え置き |
キシル「デスクライト 7x」
自然光により近くて目にやさしい光を実現したデスクライト。演色性はRa90。自然光に近づけた光で、デスクまわりをやわらかく照らします。アームの可動範囲が広いため、光がほしいところに軽い力でスーッと伸ばすことができます。幅の広い机にも対応しています。
価格 | 17,800円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ピンク ブルーグレー |
取り付け方式 | クランプ |
※ページへ移動した後、メニューの「学習机オプション」をクリックすると詳細を見られます。
KOIZUMI 「LEDモードコントロール ツインライト」
勉強に最適な光の質を考え、色をコントロールできる光源「ECOレディ」を採用。明るさは2段階、光の色は「計算モード」(5500K)、「勉強モード」(4400K)、「休憩モード」(3000K}の3段階に調節可能。シェードの左右が手前に45°動かせるので、手暗がりと反射光をのまぶしさを防ぐことができます。
価格 | 2万円前後(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ブラック ホワイト |
取り付け方式 | クランプ |
パナソニック「パルック LEDデスクスタンド SQ-LD560」
読書や勉強に最適な明かりの環境を作るため、色温度6200Kの光が広範囲を明るく照らすように設計されたデスクライト。本やディスプレイの文字がはっきり、くっきりと見えます。アームの可動範囲が広く、照らしたい場所に光が届くのも便利。高演色性で多重項対策もバッチリ。ストレスのない環境で勉強や読書ができます。
価格 | 18,000円前後(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ホワイト ダークグレー |
取り付け方式 | 据え置き クランプ |
オリンピア照明「マルチリフラクションデスクライトGST008W」
目の疲れの原因と言われるブルーライト45%カット。目にやさしい光で、子供用としても最適。また、演色性もRa97と高く、対象物を自然な色合いで見ることができます。照射範囲が広く、多関節アームの採用でシェードの位置調整が簡単。影ができにくく、目の疲れを減らします。操作はタッチパネル方式。USBポート付き。
価格 | 13,660円(税込)※2023年秋調べ |
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カラー | ホワイト |
取り付け方式 | 据え置き |
4:学習用デスクライト選び6ポイント
●光源は、目にやさしいLEDがおすすめ。あえて白熱灯や蛍光灯を選ぶ理由はない。
●子どもが使いやすい、とくにスイッチが使いやすい位置にあるものを選ぶ
●作業スペース全体に光が広がるものを選ぶ(具体的には複数のLEDがあるものや大きな傘のものなど)
●明るすぎるものに注意。部屋の照明とあわせて750~1000ルクスあれば十分。
●「ちらつき防止対策」や「多重影対策」が施してあるとなおよい。
●机の端にクランプで固定するタイプを選ぶ場合は、机の天板の厚さをはかってクランプではさめるかどうかを事前にチェック
年々、勉強が忙しくなり、子どもも目を酷使するようになりました。子どもの目を守るためには、目に優しいデスクライトを選び、適切な明かりの環境を作ってあげましょう。
2023/11/10