ランドセルは動く背カンのほうが背負いやすいってホント?
背カンとは、ベルトをランドセル本体に取り付ける重要なパーツ。これには、大きく分けて、2種類あります。
ひとつは、固定タイプ。金属ワイヤーのリングと皮革のリングの先端に取り付け、リングの反対側をランドセルの背当てに皮革などで縫い付けるもの。昔からある背カンです。肩ベルトは上下には動きますが、左右には動きません。可動部分が少なく、シンプルで壊れにくい構造です。
もうひとつはベルトの付け根に稼働部分を設け、左右に動くタイプの背カンです。動くタイプには、左右が連動して動くもの(天使のはね等)と、左右のベルトが独立して動くタイプ(フィットちゃんなど)のふたつに分かれます。どちらも機能的には大きな違いはないようです。
昔ながらの固定タイプでは、ベルトの左右の動きはもっぱら肩ベルトの柔軟性に頼っているため、背負うときにコツが必要なので、今は採用しているメーカーが少なめです。一方、可動タイプは、背負うときに腕を入れやすく、小学1年生でも背負いやすいので、多くのメーカーが採用しています。
ただ、可動部分が増えるとトラブルの元になりやすいことも確かです。また、頑丈に作ろうとするとどうしても重くなります。老舗ブランドメーカーでは、ここに耐久性の高いエンジニアリングプラスチックを使って使い勝手と耐久性のバランスをとっていますが、低価格品ではコストカットの対象となり、安物の背カンが使われる可能性も高くなります。また、動く背カンは、長い髪の女の子の髪の毛を挟むことがあるといった問題もあるようです。
固定タイプにはこうした不安要素が少ないのは確かでしょう。また、慣れれば背負うときの障害にもならないため、老舗工房系で、あえて固定タイプの背カンを採用しているところもあります。
一般的には動く背カンのほうが選択肢が広いので、こちらを選んでおけば無難ですが、お子さんの体型によっては、固定タイプのほうが合う場合もあるかもしれません。どちらがお子さんの評価が高いか、両方の背カンを試してみたほうがいいと思います。