ランドセル&入学準備相談室
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年中の娘はキラキラ・ヒラヒラ、刺繍たっぷりのドレスが大好きで、服を選ぶときはいつも親子げんかです。高学年まで使うランドセルは、さすがに娘が好きなキラキラは避けたいのですが、なにせ自己主張の強い娘、来年買うときはきっとバトルと思うとユーウツ。なんとかする方法はないですか?(35歳、女児の母)
おしゃれな母娘のために3つ提案します
幼稚園時代から自分の好みにうるさい女の子がたくさんいます。とくにおしゃれなママのお子さんは、親に似てこだわりが強い傾向。でも、この年齢の子が好きなものと、ママがいいと思うものはまず一致しません。女の子にとってキラキラ飾りたっぷりのお姫さまファッションは、誰もが一度は通る道なのだと思います。
今、販売されているランドセルにも、この年齢の女の子の嗜好を反映した飾りたっぷりのキラキラタイプが多数あります。ママとしてはこういうものは選んでほしくない、シンプルでシックなランドセルにしたいと思っておられるのでしょうね。
ランドセルナビとしては、ランドセルは子どもの気持ちを第一に選んでほしいと考えていますが、キラキラ・ヒラヒラを避けたいと思う親御さんの気持ちもわかります。
そこで、大人の親だからこそできる作戦を3つほど提案したいと思います。
1番目は、娘さんは好きだけどママは避けたいデザインのランドセルを売っているお店やネットショップを、娘さんに見せないという方法です。シンプルでオーソドックスな飾りのないデザインのランドセルだけを販売しているランドセルメーカーやお店はたくさんあります。
有名なところでは土屋鞄がそれにあたりますが、ほかにもたくさんあります。天然皮革だけを作っている工房は、ほとんどあてはまるでしょう。それでもメーカーごとにランドセルの雰囲気はだいぶ違います。そんなお店やネットショップを複数見せてあげれば、娘さんも選ぶ楽しさを味わうことができると思います。これが、ママとしてはいちばん安全な方法でしょう。
2番目は、娘さんのキラキラや飾りが欲しい気持ちを受け入れ、ママもまあ許せるかなと思うデザインのランドセルを選ぶこと。ランドセルメーカーも、女の子のキラキラ好みを取り入れながら、それでも6年間使うことを考慮した工夫をしています。
特徴的な工夫としては、いちばん目立つカブセ(フタ)の部分はシンプルにして、飾りや刺繍、キラキラは、サイド、カブセを開けて見えるポケット部分、ファスナーや内張などに集中的に入れるといったかたちです。女の子は自分が背負うのですから、どこに飾りがあるかにはあまりこだわりません。気に入った模様や刺繍・チャームがついていれば満足なのです。それでいて他人の目には、そうした部分の飾りはあまり目立ちません。
カザマランドセルの各シリーズなど、こうした工夫がふんだんに取り入れられていて、なるほどな感心させられます。
最後にもうひとつ。ママのセンスと娘さんのセンスが一致する数少ないブランドを見つけ出すという方法です。そのひとつが、fafaのランドセル(このページの画像のランドセル)。ここのランドセルは飾りはほとんどないのですが、淡い色の組み合わせがとてもモダンでおしゃれ。おしゃれな母娘だったら、二人揃って素敵!と思うかもしれません。
どの作戦でいくか、来年の春までに研究してみてくださいね。
2021/11/01
ランドセルに人工皮革と天然皮革があることを知りました。友人にも天然皮革派と人工皮革派がいて、違いはだいたいわかったのですが、結局どっちがいいの?と考えるとわからなくなってしまいます。ランドセルとしておすすめなのは、人工皮革ですか天然皮革ですか?(39歳、男児の母)
こだわらず好きなランドセルを選んで
ランドセルを選ぶのに、6年間の通学に耐えるという実用性だけを考えるなら、コスパの面で人工皮革に軍配があがります。牛革やコードバンなどの天然皮革より人工皮革のほうが少し軽く、それでも6年以上の耐久性があるからです。
でも、ランドセルナビは、「人工皮革でも天然皮革でも、どちらでもいいです。気に入ったものを選んでください」と答えます。なぜなら、ランドセルって、実用性だけで選ぶものではないからです。
たとえば、大人のバッグやリュックを実用性だけで選ぶことはほとんどないでしょう。デザインがいい、雰囲気がいい、このブランドが好きといったことが、選ぶときの大事なポイントになっていると思います。
ランドセルも同じです。6年間使うのですから、やっぱり気持ちの面で「いいな」と思うものを選ぶのがいちばんです。お子さま自身が「いい」と思うのか、ママ・パパが思うのかという違い(両方がいいと思ったものが一番ですね)はありますが、いずれにせよ、6年間修理対応がついているランドセルならば、人工皮革でも天然皮革でも、よほどのことがない限り6年間は十分持ちます。こちらを参考に→ランドセルの素材や値段について
天然皮革と人工皮革のランドセルを見比べてみてください。風合いの違いがわかる人とほとんど同じと思う人がいるでしょう。メーカーによっても雰囲気が若干違ってきます。現状、販売されているランドセルの8割程度が人工皮革なので、商品数は人工皮革のほうが圧倒的に多い。そのため、デザインや色のバラエティでも人工皮革に軍配があがります。
それでも、若干高価な天然皮革を選ぶ人が少なくありません。この工房の雰囲気が好き、好きなブランドだから、牛革の風合いが好きなど、そこにはいろんな理由があります。コスパを考えたら人工皮革のほうがずっとよいにもかかわらずです。
というわけで、人工皮革か天然皮革かの二者択一を考えるのはやめて、個々のランドセルを見比べてください。そして、お子さまと一緒にわが家のお気に入りを見つけてください。6年間修理対応がついているランドセルであれば、実用面は安心して大丈夫。6年間いい気持ちで背負えそうな、相性のよいランドセルを見つけてくださいね。
2021/10/11
うちの家族はみんな大柄。夫は身長185cm、年中の息子ももう125cm。夫は、「ランドセルは体が大きくなるとカッコ悪い。俺は恥ずかしくて4年生からリュックに替えた」とか。それで息子にもランドセルではなくリュックがいいと言い出したのですが、どうなんでしょう?(41歳、男児の母)
今のランドセルは身長170cmでも大丈夫
●親の時代とは大きさが違う
最初にお伝えしたいことは、どちらにせよ、最近の小学生のランドセル姿を見て、カッコ悪いかどうか判断していただきたいということです。
実は、ここ十数年で、ランドセルはどんどん大きくなっています。確かに、昔のランドセルは、大きく成長した高学年の子が背負うと背中にチョコッとくっついている感じでカッコ悪かったですね。その頃のランドセルが、B5サイズがちょうど入る大きさだったからです。でもその後、教科書などの大型化にともなって、ランドセルも大きくなりました。今のランドセルはA4サイズがすっぽり入る大きさです。平均的なもので、高さ約34cm、横幅約26cm、奥行き約22cmぐらいです。
試しに背負ってみるとわかりますが、今のランドセルは平均的な体格の成人女性が背負っても何の違和感もありません。女性用のリュックと同じかそれ以上の大きさだからです。肩ベルトの長さも、身長170cmの子が背負えるように設計されています。さすがに身長185cmのご主人だと、今のランドセルでもちょっとカッコ悪く見えるかもしれませんが…(笑)。
というわけで、今のランドセルについては、高学年になってもかっこ悪さを心配する必要はないでしょうただ、それ以外の理由でランドセルよりリュックを選択したいという気持ちがあるなら、それはそれでご家庭の方針次第ですよね。
●布製ランドセル&リュックの注意点
念のため、リュックや布製のランドセルを選択した場合に気をつけていただきたいことを書いておきたいと思います。
いちばんお伝えしたいのは、リュックや布製のランドセルを選んだ場合は、体に負担をかけない正しい背負い方を、早めに身につけてほしいということです。東京都内で私立校など学校指定の布製ランドセルを背負っている低学年の下校風景を見ていると、上半身が少し前かがみになっている子どもが多く、重たい荷物が体に負担になっているのではないかと心配になります。そして、前かがみになっている子どものリュックは、多くが肩ベルトの調節ができていない、つまり長すぎるように見えます。
リュックの肩ベルトを長めにしてダランとさげた背負い方は、若者たちには一般的になっていますが、あれは荷物が重たくなければ問題ないでしょうが、小学生のように学習用具がたっぷり入って重たい場合、体への負荷がとても大きくなります。こちらを参考に→ランドセルの重さ、どこまで大丈夫?
一般的な天然皮革や人工皮革のランドセルは、背カン(ランドセルと肩ベルトをつなぐ部品)によって肩ベルトの根元を立ち上げ、肩ベルトの形状を工夫して、ランドセルの背当てが背中にフィットし、背負う荷物の重さが体に与える負担をできるだけ軽減するようにしています。しかし布製のランドセルやリュックには、そうした配慮のあるものがあまりありません。
また、一般のランドセルはカッチリした箱形なので、変形してぐらぐらすることはありませんが、布製のリュックは入れたものによって形が変わり重心がコロコロと変わる可能性があります。これも体に負担になります。
なお、一般的なランドセルでも、肩ベルトの長さを適正にしないと、布製のものと同じように、体への負担が大きくなることがあるので注意しましょう。
試しに、リュックにある程度重い荷物を入れて、ベルトを長くしてダランと下げて背負ったり、ベルトを調節して背中にフィットさせて背負ったりしてみてください。いちばん軽く感じる位置が、体にはいちばんいいのです。
このこと、とくにお子さまが小さいうちは気をつけてあげてくださいね。肩ベルトの調節はママ・パパの役割です。
2021/10/4
先日ネットで見たランドセルには、ランドセルナビで紹介してあった6年間の修理対応がついていませんでした。でもデザインはとても気に入っています。それで不安になったのですが、6年間修理保証は絶対にないとダメですか?(31歳、男児の母)
購入時にしっかりチェック!!
●耐久性は素人にはわかりにくい
6年間の保証がないランドセルは絶対にダメということではありません。修理保証のないランドセルは、すぐに壊れるとか買う価値がないということでもありません。
ランドセルを作るメーカーの立場で考えてみてください。長年ランドセルを製造販売してきた経験から、“うちのランドセルは、通常の使い方なら6年間壊れることはない”という自信があるから保証をつけているわけです。
ランドセルだけでなく、かばん全般に言えることですが、その商品がどの程度耐久性があるかは、素人の目で見て判断することは難しいです。でもランドセルは、子どもが6年間ほぼ毎日使うものだから、メーカーのほうでも購入後のことには無関心ではいられない。そのため、長年ランドセルを作っているメーカーのほとんどは、ランドセル工業会の共通修理対応タグか、自社独自の6年間修理保証をつけています。
こうした6年間の修理保証があるランドセルなら、耐久性についてはひとまず安心し、あとはデザインや重さ、機能などを比べて好みのものを選べばいいということになります。
ただし買う側が、ランドセルも壊れたら新しいものを買えばいいとか、子どもの好みは2、3年で変わるから、そのときには新品を購入すればいいと考えているなら、何も保証にこだわる必要はないでしょう。大人のバッグと同じく、デザインなど耐久性以外のポイントを重視して選べばいいわけです。
●個別に耐久性を確認
6年間の修理保証がついていないランドセルには、どんなものがあるでしょうか?。
まず、6年間修理保証ランドセルを作っているメーカーの2年以上前販売された型落ちランドセル。型落ちなので保証がついていませんが、素材の耐久性から見て2年落ちまでなら、新品とあまり変わらない耐久性があると思います。それでいて販売価格は最新商品の半分程度。お買い得なランドセルといえるかもしれません。
次に、自社独自の考え方でランドセルを作っているメーカー(例:ヘルツ、吉田カバンなどが有名)。これらのランドセルが信頼できないということはありません。ただ素材(革、布)の選び方から製造方法、アフターサービスのシステムまで、各社独自の方針で行われているので、それを確認して納得のうえで購入したほうがいいと思います。
加えて、ネットでは、製造メーカーがわからないランドセルが激安で売られていたりします。こうしたメーカー不明のランドセルは、はっきり言って避けたほうがいいと思います。それに、メーカー表示がない激安のランドセルは、その他の表示情報の真偽も確認する必要があります。製造国、製造メーカーなどを電話やメールで問い合わせ、納得できるかどうかを自己責任で判断してください。
2021/09/27
息子の小学校入学をとても心配しています。他の子と一緒に遊ぶことができないので、保育園の先生からも「小学校が心配」と言われました。発達障害の検査は問題なしでした。実は夫も「集団行動は嫌いだった、今でも嫌い」と言いながら会社勤めしています。しかたがないのでしょうか?(34歳、男児の母)
本当に集団行動が苦手なのかチェック
●規則正しい生活をしていますか?
集団行動ができないと心配しているママ・パパは多いです。確かに小学校は、授業、給食…、ほとんどが時間で区切られていて集団行動です。親として心配になるのは当然ですが、まず気をつけていただきたいのは、思い悩んでいる親の姿を見たお子さまにその不安が伝染してしまうこと。そのために、お子さまが小学校入学をいやがるようになったらもっとよくないので、この点、ぜひ気をつけてください。
そのうえで、あくまでも、息子さんにとって小学校入学がワクワクするものにするにはどうしたらいいかを、考えてみたいと思います。
まず、最初に息子さんが本当に「集団行動が嫌い・苦手」なのかどうか、疑ってかかる必要があります。というのは、この年令だと、単にその時言われたことを「やりたくない・ほかにもっとやりたいことがある」だけかもしれないからです。これまでに、人と一緒に何かをする経験が少なかったとしたら、こういう可能性があります。
そこで、最初に確認しておきたいのは、規則正しい生活習慣が身についているかどうかと、人と一緒に何かする経験があるか、ということです。
毎朝、同じ時刻に起きて食事をすることから始まる毎日の規則正しい生活習慣は、快・不快といった気分だけに支配されずに、自分をコントロールする術を身につける最初の一歩です。また、人と一緒に何かできるかどうかも、自己コントロールを学ぶ大事な体験です。
「人と一緒に」とは、何も小学校のクラスのような多人数のことではありません。家族みんなで食事をする、ママと一緒に料理を作る、パパと一緒に工作をする、きょうだいや友達と一緒に遊んだりおしゃべりするといった経験です。親や相手から一方的に「してもらう」のではなく、「協力しあって何かをして満足感を得る」経験のことです。
食事の場合を考えてみましょう。毎日の朝食の時間がバラバラで、しかもひとりひとりが別々に食べ始めて食べ終わるといった家庭だと、他の人と一緒に食事をする習慣はおそらく身についていないでしょう。
逆に、毎日、家族一緒に同じ時刻に食事をする家庭ならば、食事の準備が遅れたときには手伝う、あるいは他の家族を席につくのを待つといった習慣が、いつのまにか身についていると思います。
また、ママと一緒に料理する、パパと一緒に工作をするというとき、いつも親が一方的に準備し段取りも決めて、子どもは目の前にあることを、「しなさい」と言われたままにするだけだと協力しあって何かするという経験ではありません。親子一緒に準備して、どうやったらスムーズにできるかも一緒に考えて協力する習慣が身についているでしょうか? これも確認してみてください。
規則正しい生活習慣も、人と一緒に何かするときのちょっとしたノウハウも、幼少期に身につけておけば、苦痛なくできるようになります。人のために少し我慢したり、逆に相手に要求したりといったさじ加減も、いつのまにか身につきます。でも、これらは成長してから身につけようとすると、すごく苦痛になったりするものです。
小学校入学前の段階で、規則正しい生活が身についていなかったり、誰かと一緒に何かする経験が不足していると、「集団行動が苦手」以前の状態です。こうしたことが、まだ習慣になっていないと思うならば、まずはここからスタートしてください。子どもの吸収力は驚異的ですから、数か月ですぐに身につくと思います。
→こちらも参考にしてください。【子どもの準備2】何よりも大事なのは、早寝・早起き・朝ごはん
●集団行動が嫌いでも折り合いはつけられる
規則正しい生活が身についていて、人と一緒に何かした経験もたっぷりあるけれど、それでもより多人数の集団行動になると、どうしてもいやというお子さまの場合は、おそらく幾分かはその子の個性だろうと思います。そして、ご主人もそんな個性の持ち主なのでしょう。でも、ご主人はちゃんと会社の組織内で働いておられます。つまり、自分の個性と社会生活の両立ができているのです。
ご主人と同じく「集団行動が嫌いだった。今も嫌いだ」という男性に、幼い頃どうしていたのか聞いてみました。
「小学校1,2年の頃は、どうしてみんなと同じにしなくちゃいけないのか、わからなかったけど、それでもやれって言われるからしかたなくやっていたんだろうと思います。なぜ嫌かと言われても、単純にやりたくないだけ。ほかのことをやったほうがいいと思っていただけです。気分的なことで、理由なんてありません。
でも、3年ぐらいになると、嫌でもやっておかないと、もっと面倒になると思って我慢してやるようになりました。ちょっと我慢すればすむんだし、反発するともっと面倒なことになると思うようになったから。ま、そんなこんなで、今でも集団行動は好きじゃないけど、まあ、適当に周囲と妥協しながら生きていますよ」
とまあ、こんな感じです。
人はそれぞれ、さまざまな個性を持っています。どんな個性でも、時として周囲と摩擦を起こすことがあります。そんなとき、できるだけ苦痛なく周囲と折り合いをつけるノウハウを身につけておくことも、うまく生きるために大切なのではないでしょうか? ただ、これは親がしてあげられることではなく、本人の精神的成長と自覚がなければできないことです。
親にできるのは、できるだけ子どもの個性を損なうことなく、環境を整備してあげること。規則正しい生活といろんな人とのさまざまな協力体験を用意してあげましょう。そしてお子さまが自ら、自分の個性と周囲との折り合いをつける心の成長を遂げる時期を待ってください。そんなママ・パパの心の余裕こそ、お子さまにとって何よりも大事なものです。
とはいえ、お子さまによっては、こうした一般的な考え方では改善がみられない場合もあるでしょう。そういうときは迷わず、専門家に相談に行ってください。
2021/09/20
うちの娘には、他の子とかぶらないおしゃれで個性的なランドセルを買ってあげたいと思っています。ファッションならブランドがわかっているので探せるのですが、ランドセルの場合、どうやって見つけたらいいかわかりません。(36歳、女児の母))
「ランドセル ○○○○」で検索して見つけよう
おしゃれで個性的なランドセルのブランドというと、女の子向けでメゾピアノ(ナルミヤ)、LIRICO(リリコ)、アリスランドセル(キャサリンコテージ)などが有名です。いずれも、かわいい・ロマンチックなテイストのラインがメイン。またハッとするようなパステル調のカラーで注目なのが、fafa(フェフェ)のランドセルです。
それに忘れてならないのが、ランドセル専業メーカーの個性的なランドセル。通常のラインナップの中にあったり、別ブランドを立ち上げて販売しているケースもあります。たとえば、conosaki(榮伸)、フィットちゃんのハシモトのアーティファクトなど。
そのほか、ドイツの工房で作っているオーガニックレザーのfarbe(ファーベ)や、タンニンなめし本革製のHerts(ヘルツ)などは、素材・作り方そのものが個性的で、パッと見にも普通のランドセルとは違います。扱いに関しても一般的なランドセルと異なりますが、一定のファンを得ています。
また、布製のランドセルという選択もあります。吉田カバンのポーターサッチェルバッグなど、全国では10社以上が布製のランドセルを作っています。
このように、おしゃれで個性的なランドセルでも、選ぶ範囲は無数にあります。そこで最初の一歩としては、ネット検索がおすすめ。「ランドセル」のあとに、好きなブランド名や好きなテイストなどを入れて検索してみましょう。画像検索が便利かもしれません。
なお、こうした個性的なランドセルは原則、生産数があまり多くはありません。早めに候補のブランドを決めるために、年中さんのうちからリサーチを始めておいたほうがいいと思います。そして候補が決まったら、必ず保証などのアフターサービスについて確認してください。
おっともうひとつ、個性的でおしゃれ、他の子と絶対にかぶらないなランドセルを入手する方法がありました。オーダーメイドのランドセルにすることです。形は一般的ですが、色の組み合わせ次第ではきわめて個性的なランドセルが完成するでしょう。
2021/09/13
ランドセルにもオーダーメイドがあると知り、これなら細かいところまで思い通りのものが作れると喜んでいます。でも、オーダーメイドだからこその注意ポイントとか落とし穴があるかもしれません。そういうことがあれば教えてください。(35歳、女児の母)
オーダーメイドの困った点は迷ってしまうこと
オーダーメイドのランドセルが増えてきました。ランドセルの専業メーカー・工房でも、一般的な縦型ランドセルで素材の色やパーツの選択ができるオーダーメイドを用意しているところのほうが多いくらいです。ランドセルのオーダーメイドは、あまり割高感を感じない点がいいですね。
さて、オーダーメイドの注意点ですが、これはもう、はっきりしています。“どれとどれを組み合わせたらいいか、決められなくなってしまう”ということ。つまり迷ってしまうのです。
お店や展示会でオーダーメイドがあると知り、本体の色は? へりの色は? 糸は? 内装は? ポケットは? 刺繍は?と選び始めるのですが、途中で本当にこれでいいかしらと、迷ってしまう人が激増。しかも親も子どもも迷うので、決められなさも2倍! 「もう一度、よく考えてからにします」と言って帰って行く親子がとても多いと、メーカーは口を揃えて言っています。
多くのメーカーが、各パーツを組み合わせて完成品をイメージできるシミュレーションシステムをネット上に用意しています。家でゆっくり、本体の色、へりの色…と選んでいって出来上がりを見ることができるのですが、それでもやっぱり迷ってしまう…というか、親はAの組み合わせがいい、子どもはBがいいと意見が分かれてしまうことが多く、なかなか決められないのです。
でもこれって当然ですよね。ほとんどのママ・パパは、ランドセルの素人で、デザインの素人でもあるのですから。ゼロからランドセルをデザインして、完成品を具体的にイメージすること自体、とても難しいことなのです。
事前に本体色を決めておこう
そこで、オーダーメイドランドセルにしようと決めたら、デザインを考える前に、以下の3つを決めておくことをおすすめします。
1,ランドセル素材は、人工皮革がいいか、天然皮革がいいか決めておく。
2,お気に入りのメーカーを1つあるいは複数選び、そこが提供しているネット上のシミュレーションシステムで、親子で遊んでおく。
3,本体の色を、親子で相談して決めておく。
まず、1について。オーダーメイドを提供しているところは大手から小さな工房まで多数ありますが、その多くは人工皮革です。天然皮革のオーダーメイドがあるのは、それほど多くはありません(HAKURA、萬勇鞄、池田屋、近藤かばん、スドウなど)。
次に2について。ランドセルもファッションブランドと同じで、個々の工場や工房によって微妙に雰囲気が違います。どこの雰囲気が好みかな?と、メーカー・工房の既製品を見て候補を決めておきましょう。
そして、親子でネットのシミュレーションシステムで遊んでおくといいと思います。最初からこれにすると決めないで、遊んでみるのです。オーダーメイドと一言で言っても、選べるパーツの種類はそれぞれ違います。こだわりたい部分が選べるかどうかもチェックポイントです。
特にどこと決められない場合は、オーダーメイドの老舗「羅羅屋」の3Dシミュレーション(上の画像)をやっておくといいでしょう。ランドセルのシミュレーションの中では、完成がイメージしやすい優秀なサービスです。
最後に3について。これがもっとも大事なポイント。赤か黒か、ラベンダーかブラウンか、本体にしたい色が親子で違ってしまうと、どうシミュレーションしても収拾がつきません。ベースの色を何にするかは、オーダーメイドの細かい選択をする前に、親子の意見を統一しておいてください。
ネットのシミュレーションシステムは、今のお子さまならきっと楽しんでくれることと思います。親子で遊んでいるうちに、ここがいい、これがいいと意見の一致をみることができそうです。そうすれば、ランドセル選びの素敵な思い出にもなると思います。
2021/09/07
ネットで画像検索して、ホワイトのランドセルがあることを知りました。白ってカジュアルだし、どんな服装にも合うからいいと思ったのですが、やはり汚れが心配。バッグでも白を買うときは慎重になります。ランドセルの場合はどうなんでしょう?(38歳、女児の母)
最近人気です。汚れは濃い色と同じぐらい
ホワイトのランドセルに注目されるとは、お目が高いですね。実際、ここ数年、白いランドセルの人気は高まり、販売するメーカーも増えています。もっともメーカー側は、白・ホワイトとは言わず、ベージュと称している場合が多く、ベージュの人気が高いノムラランドセルによると、親御さんの白に対するハードルがだいぶ低くなったような印象があるそうです。
まず汚れについてですが、ランドセルの場合、革に汚れ防止加工が施されているので、大人のハンドバッグほど心配する必要はありません。白だけでなく水色やラベンダーなど薄い色のランドセル共通で、汚れを心配して避ける傾向があるのは確かです。でも薄い色を購入したご家庭が、買って失敗したと思っているという話はあまり聞きません。
もちろん、毎日使っていれば汚れやキズがつきます。使い方がていねいなら汚れは少なく、乱暴に扱っていれば汚れがキズが増えていきます。では、濃い色より薄い色のランドセルのほうが汚れやキズが目立つかといったら、そうでもないのです。
ご心配なら、近所の小学生のランドセルを見てみてください。高学年ともなれば、多少くたびれた感じはしてきますが、その度合いは濃い色と薄い色とであまり違いはないと感じられるだろうと思います。
ホワイト系にもさまざまなデザインが
ベージュも含め、ホワイト系のランドセルには、すべてホワイトのものと、フチにブラウンやピンクなど別の色を使ったコンビカラーのもの、さまざまな刺繍が施されたゴージャスなものなどさまざまなタイプがあります。
数年前までは、メゾピアノなど、キッズやレディースのファッションブランドのランドセルに目立ったのですが、いまや、天使のはねやフィットちゃんなど大手ランドセルメーカーから、ランドセル工房、デパートやスーパーのブランドまでラインナップに加わっています。
フチがアクセントカラーになっているものは白ながらキリリとした印象になるし、すべて白だと背負っている本人や服装に溶け込んでとてもソフトな感じ。刺繍などの飾り付きのものは、白のソフトさより飾りのほうが目立つので、あまりホワイトらしさは感じないかもしれません。
ホワイト系のランドセルは、これからおしゃれのセンスを磨きたいと思っているママと娘さんに、比べる楽しさも加わってぴったりの選択だと思います。最終的には、娘さん自身がセレクトするかどうかですが、一度どこかのお店で、ホワイト系のランドセルをフィッティングしてみてはいかがでしょうか?
2021/08/30
ランドセルの中には、奥行きが増えて収納量が増やせるものがあると聞き、便利かもと思っているのですが、実際のところ、どうなんでしょう?(29歳、男児の母)
便利ですが、必須の機能ではありません
教科書が大きくなっただけでなく、水筒などその他のものも増えて、最近の小学生の荷物は本当に多くなりました。ランドセルに入りきらないと悩むご家庭が増えているのは確かです。そのため、いくつかのランドセルメーカーが、荷物の多いときには容量が増やせると謳ったランドセルを発売しています。
具体的に言うと、キッズアミ(ナース鞄工)の「ペリカンポッケプラス」、 かるすぽ(イオン)の「みらいポケット」 ふわりぃ(協和)の「のび~るポケット」などがそれにあたります。
いずれも、小マチ(メイン収納の手前の小ポケットのこと)の奥行きを調節して、収納量を増やすしくみです。信頼できるメーカーの商品なので、どれも品質に不安を抱く必要はありません。
キッズアミの「ペリカンポッケプラス」は、ファスナーを開けることで小マチが最大8cm伸びます。「みらいポケット」と「のび~るポケット」はベルトの調節で最大5cm伸ばせるようになっています。通常のランドセルだと小マチの奥行きは3cmぐらいなので、筆箱程度の厚さのものしか入りませんが、ここの奥行きが5cm増えればお弁当箱や水筒なども入れることができます。なかなか便利なランドセルであることは確かでしょう。
ただ、入れるものが増えれば、それだけランドセルは重くなります。通常のランドセルで入りきらないほどの量を持ち運ばなければならなくなるのは、いつごろ? またどの程度頻繁にあることなのでしょうか?
通う予定の小学校の生徒たちを見たり、先輩ママに話を聞くなどして確認してみてください。低学年のうちからそうなる可能性は、それほど高くはないのではないでしょうか?
荷物が増えてから考えてもいい
容量が増やせるランドセルは、とても便利だとは思いますが、そのことがランドセルを選ぶ際に優先すべきことかといったら、そうでもないと思います。
以下、理由を説明します。
6年の間には、荷物がランドセルに入りきらない事態が必ず訪れると思います。でも、それがいつになるかはわかりません。少なくとも1年生のうちにそうなる可能性は低いでしょう。だいたいの場合は中学年・高学年になってからだと思います。つまり、子どもの体格も入学時に比べれば相当大きくなり、精神的にもだいぶ成長していることでしょう。
また容量が増やせるといっても、ランドセル自体で対応するには限度があります。今は、ランドセルに取り付け可能な補助バッグが多数市販されていて、こちらにほうが容量は大きいのです。「ランドセル 補助バッグ」で検索すれば、ランドセルの両サイドや下に取り付けるものなど、さまざまなタイプのものが見つかります。
というわけで、小マチの調節で容量を増やせるランドセルを選ぼうと考えるより、お子さまが選んだランドセルがたまたまこのタイプであればそれでOKだし、そうでなくても特に心配する必要はないと思います。そして、荷物がランドセルに入りきらなくなった時点で、お子さまと、どうしようかと話し合って対応策を決めるのがいいでしょう。
高学年になれば視野も広くなって、自分からこれ!と見つけてくる子も出てきますし、自分なりのスタイルにこだわるおしゃれさんも増えてきます。荷物は背負って運ぶほうが体への負担は少ないとはいえ、好きなデザインの手さげを選ぶ子も出てくるでしょう。
主役はあくまでも、子どもです。ランドセル選びの主役も子どもです。先回りして面倒をみてあげるよりは、その都度、親子一緒に解決策を考えるかたちでやっていくのがいいと思うのです。そのほうがお子さまに自立心が育ちます。
2021/08/23
娘がフタにたっぷり刺繍があるランドセルを選んだのですが、買う勇気がありません。刺繍は汚れたりほつれたりすると聞いたことがあるからです。そんなに心配することないという人もいますが、どうなんでしょう?(40歳、女児の母)
一般的な刺繍ならあまり心配はありません
刺繍などの飾りがあるランドセルについては、確かに汚れやほつれを心配する方が多いですね。でも、カブセ(フタ)全体に刺繍が施されているような特別なタイプでない限り、そんなに心配することはないと思います。
刺繍付きランドセルのデメリットとしてよく言われているのは、刺繍糸が汚れる・ほつれる、刺繍糸の穴から水分がしみこむ、大きくなったら刺繍のデザインがいやになる、といったことです。
ランドセルナビのスタッフは、日常的に小学生のランドセルを観察していますが、刺繍付きのランドセルが、刺繍なしのランドセルより早くみすぼらしくなっていると感じたことはありません。
高学年になればランドセル全体が少し傷んだ感じになりますが、それは使い込んだ証のようなもの。刺繍などの飾りがあるランドセルのほうが早くみっともなくなっている印象はありません。
確かに、刺繍の針の穴から水分がしみこむということはあり得ます。そのため刺繍はしないというポリシーのランドセルメーカーもありますが、多くのメーカーが刺繍付きランドセルを販売しており、多くのお子さんがそれを選んでいるところをみると、それほど心配する必要はないでしょう。
それに、雨など水分がついてシミができるのが心配なら、レインカバーを使ったり、濡れたときは早めにふき取って乾かすなどすれば避けることができます。
ランドセルは背負う本人が気に入ったものを選ぶのが、最良の選択です。見に行った展示会やお店で、娘さんがいいといったものを選んであげてください。何度か見に行って、そのたびに違うデザインや色のランドセルを選ぶのなら、より汚れの心配が少ないタイプ、たとえばカブセ(フタ)ではなくサイドに刺繍があるものや、型押し模様のあるランドセルを、「これはどう?」と聞いてみるといいでしょう。
そして最後に、大きくなったら刺繍のデザインがいやになるという心配についても、確かにそういうことはあると思います。もし、成長した娘さんがいやになったと言ったら、ちゃんと本人が選んだものであることを伝えてあげてください。
幼い時に自分が選んだのだと知ることは、本人にとって貴重な経験です。娘さんは得がたい教訓を得ることと思います。そのうえで、ランドセルカバーを提案してみてはいかがでしょうか。今はランドセルの印象を一新できるおしゃれなランドセルカバーがたくさん売られています。
2021/08/14
ランドセルは手入れ不要と聞きましたが、子どもが使うものだし6年間キレイにもたせたいとなると、やはり気になります。とくに心配なのは内側です。お弁当の汁がこぼれて臭いがこもったなんてこともあるとか。内側もキレイに保つにはどんな注意が必要ですか?(37歳、女児の母)
内張りの素材を確認、濡れたときに拭き取って
ランドセルをキレイに使うために注意したいのは、濡れたときです。濡れたときにはすぐに拭き取って乾かせばいいのですが、お弁当などの水分が染み込んだままにしておくと、臭いが残ったり、カビが生えたりしてやっかいです。
手入れを楽にしたいのなら、内張りが布製や豚革などの天然皮革のランドセルは避けたほうが無難。人工皮革・合成皮革など水分が染み込みにくいタイプの内張りのほうが安心です。といっても、メーカーもさまざまな工夫を施しているので、念のため購入時に、内張りの汚れ防止について確認してみるとよいと思います。
もうひとつ、毎日使っていると、大人のカバンと同じでどうしても細かいゴミなどが残ってしまいます。時折、ランドセルをさかさまにして中のゴミやほこりを落としたり、縫い目や境目に残っている細かいゴミを柔らかいブラシなどで掻き出しておくと、よりキレイに保つことができるでしょう。
ランドセルの外側は汚れ防止加工が施されているので原則手入れ不要ですが、濡れたときには必ず水分を拭き取って乾かしておきましょう。ランドセルカバーを常時つけている場合は、ランドセルカバーとランドセルの間の水分にも注意してください。
泥汚れなど目立つ汚れがついたときは、水拭き、から拭きの順で汚れを取り除きましょう。それでも落ちない汚れに素人対応はちょっと心配。購入したお店やメーカーに相談したほうが安心です。
2021/08/09
本物がいいと思うので、牛革のランドセルを買う予定です。ただ手入れのことが気になります。子どもが使うから、大人用の革かばんやハンドバッグ以上に気を遣う必要がありそうで、どうしたらいいか迷っています。(38歳、男児の母)
定期的な手入れは不要。濡れたり汚れた時に拭きましょう
ランドセルナビでご紹介しているような国産メーカーのランドセルは、牛革などの天然皮革でも、一部の例外を除いて、ほとんどが定期的なお手入れが必要ありません。理由は、ランドセルの場合、革の表面に汚れ防止加工が施されているからです。といっても、水に濡れたり汚れがついたときには、早めにササッと拭き取っておきましょう。
ただし、注意したいことはあります。濡れたランドセルを、ランドセルカバーをつけたままの状態でほうっておくと、カビが生える可能性があります。また、汚れたままにしておくと、いつのまにか内側に汚れがうつったり、縫い目に汚れがこびりついたりすることもあります。
ですから、定期的な手入れは不要ですが、濡れたときにはササッと拭いて早めに乾かす、はっきりわかる汚れがついたりしたときは、固く絞った布などで汚れを取り除くことは忘れずに。大人の革かばん用の汚れ落としクリームは使わないでください。
そして「一部の例外」とは何かというと、ヌメ革など、天然皮革本来のよさを生かすために、この汚れ防止加工が施されていないタイプの高価格なランドセルのことです。つまり大人用の革かばんや革のハンドバックと同じタイプということです。でも、このタイプのランドセルの場合、カタログなどに必ず「手入れが必要」と書いてありますから、間違ってこのタイプのランドセルを買っちゃうということは、まずないと思います。中には汚れ落としクリームをランドセルにつけてくれるメーカーもあるほどです。
というわけで、一般の牛革のランドセルを買っても、日常的な手入れの心配はあまりありません。
ただ、どんなランドセルでも、どんな使い方をするかで、汚れ方やへたり方は違ってきます。小さなキズなら、毎日背負って学校に行っている証のように感じられますが、刃先のような尖ったものでついた大きなキズだと、その部分から汚れや水分が浸透していきます。そういったキズを修復することは個人レベルでは難しいでしょう。買ったお店やメーカーに修理を依頼したほうがいいと思います。
なお、ランドセル内部の手入れについては、他のご質問があったので、次回ご紹介します。
2021/08/02
国立附属小を受験する予定で、合格したら学校指定のランドセルになります。万が一落ちたとき、ランドセルはそれから買うのでも間に合いますか? 上質のいいものを買ってあげたいのですが。(40歳、女児の母)
選択肢は狭まりますが上質なランドセルは買えます
小学校受験のシーズンは9月から11月ごろで、ランドセル商戦も終盤にさしかかっている時期。そのため、毎年、いいランドセルは残っていないのでは?と不安になる方が多数おられます。ある老舗の工房では、「受験に落ちたので、今から買いたいけど、いいものはあるか?」という問い合わせが毎年数件あり、なんとか対応しているという話を聞きました。
でも、安心してください。上質なランドセルはちゃんと残っています。
確かに春の発売開始ごろに比べれば選べる範囲は狭まりますが、よほどこだわりがない限り、満足のいくランドセルを見つけることは可能でしょう。牛革のランドセルでも、クラリーノなどの人工皮革のランドセルでも、信頼できる上質なランドセル、つまり6年間修理対応がある日本製の造りがしっかりしたランドセルは、たくさん残っていると思ってください。
逆に早めに売り切れるランドセルとはどういうものかというと、素材の入手が困難で多数は作れないランドセル(例:高級品のコードバンのランドセル)や、メーカーが多くは売れないと予測して少量しか作らないランドセル、それにメーカーの予想を裏切ってその年突然大人気となったデザインや色のランドセルなどです。
これらにあてはまらない一般のランドセルであれば、11月を過ぎて翌年の3月まで、多数のランドセルが販売されています。今は少子化の時代、ランドセルの生産数が子どもの数を上回っているのです。
それでもご心配なら、購入は合否が判明してからとしても、ランドセルが販売開始される春ごろに、どんなランドセルがほしいかだけは調べておくといいと思います。
そして売り切れそうなランドセル(特定の大人気工房のランドセル、コードバンのランドセル、特定のデザイン・色のランドセルなど)がほしいということになったら、「受験結果が判定してから買いたいのですが、間に合いますか?」と、早めにメーカーや販売店に問い合わせてみることもできます。あるメーカーさんに、お受験組の中には心配だから念のため先に買っておく家庭も少数あると聞きましたが、常識的にはそこまでする必要はないと思います。
というのも、ランドセルはお子さまが使うもので、お子さまが気に入ったものを選ぶのが一番だと思うからです。ママ・パパはありと世の中にあらゆるランドセルがあることを知っていますが、この年令の子どもは、お友達などから情報が入ってこない限り、そのときその場で見たランドセルの中から自分の好きなものを選んでくれるはずです。
ランドセルという商品は、品質・機能面で見たら、早く買ってもお受験終了後に買ってもあまり違いはないのです。そして、ブランド・デザイン・色など、好みに強いこだわりがある場合のみ、早めに買ったほうが安心ということです。
2021/07/26
3回ランドセルを買いにお店に行きましたが、娘と意見が合わず買うことができません。私は赤など汚れの目立たない濃い色をすすめるのですが、娘は必ずパール系やピンクやラベンダーなど薄い色を選びます。最後は決まって口げんかです。何かいい娘の説得法はないでしょうか。(35歳、女児の母)
好きな色は個性です。大事にしてください
3回買いに行って、いつもパール系や薄い色を選ぶのなら、娘さんの好みははっきり決まっているということ。それをあきらめさせるのは、あまりいいこととは思えないのですが、そのへんをどうお考えなのでしょうか?
親としてはパール系や薄い色は汚れが心配とか、6年間使うものだから、今好きな色を選んでも大きくなったら後悔するかもといった思いがあるのかもしれませんね。でもこの年代の娘さんに、まだそういった思いは通じません。「どれがいい?」と聞けば、素直に自分の好きなものを選ぶのは、当然のことです。
ランドセルを見に行くたびに違う色を選ぶのなら、まだ自分の好みがはっきり決まっていないわけですから、親の説得にもすんなり従うかもしれません。でも娘さんは、自分の「好き」がはっきりしている…ということは、それが娘さんの個性なのです。個性を主張できるということは、それだけ情緒的にも成長しているということ。その点をちゃんと評価してあげることも、とても大事だと思うのです。
それにランドセルの場合、ほとんどが汚れ防止加工が施してあるので、薄い色でもあまり汚れを心配する必要はありません(一部の例外を除く)。成長すれば好みが変わるという心配に対しては、今はありとあらゆるランドセルカバーが売られているので、買った後でも簡単に見た目の印象を変えることができるとお伝えしたいと思います。ランドセルカバーは、ランドセルのイメチェンには最適のツールで、汚れを隠す効果もあります。
娘さんに好きな色をあきらめさせるより、好きなランドセルを買ってあげることで、ランドセル購入という入学前イベントを楽しい思い出にしてあげてはいかがでしょうか? おそらくこの思い出は、娘さんの記憶に残ります。たとえ好みが変わったとしても、自分が選んだものを買ってもらったことはずっと覚えているでしょう(たとえ成長して自分が選んだ色をカッコ悪いと思ったとしても、です)。逆に言えば、好きなものを買ってもらえなかったということも、ずっと心に残る可能性があります。
それでもやはり濃い色を選ばせたいというのなら、ひとつの方法としては、次回は薄い色のランドセルを売っていないお店を探して行ってみる手があるかもしれません。それでうまく行けばOK。それでもやっぱりパール系や薄い色がいいと娘さんが主張するなら、使うのは娘さん(これとても大事なポイントです)なのですから、好きな色のランドセルを買ってあげてください。ランドセルナビからもお願いいたします。
2021/07/19
リコーダーケース、持ち手、時間割ポケット、反射材、防犯ブザー用のフックなど、今のランドセルにはいろんな便利機能がついていますが、逆にいろいろありすぎて迷ってしまいます。何を優先したらいいのでしょうか?(38歳、女児の母)
絶対に必要な3ポイントをおさえておけば大丈夫
●細かい事は購入後でも対応可能
ランドセルに絶対に必要なことは、小学校の6年間、登下校時に子どもが安心して学習用具を持ち運ぶことができるかばんであるということですよね。そう考えると、何はともあれチェックすべきなのは、丈夫なこと、必要なものがちゃんと入ること、子どもが使いやすく背負いやすいことの3つぐらいでしょう。
この3つのポイントをおさえておけば、その他のことは、買ったあとでも何とかなると思って大丈夫です。
まず、丈夫かどうかをチェックするポイントは、6年間の修理対応がついていることと、信頼できるメーカー製であること。修理対応やメーカー確認は、実店舗で買う場合もネット購入でも、店員に聞いたりページの表示を見ることで簡単にわかります。
必要なものがちゃんと入るかどうかは、信頼できるメーカーの最近のランドセルなら、教科書など学習用具のサイズにあわせて作られているので、あまり気にする必要はありません。
●通う予定の学校の様子をみておく
ただ自治体や学校によって、学習用具の量や持ち運びには違いがあるので、通う予定の学校の事情をチェックしておいたほうが安心かもしれません。たとえば、リコーダーケースですが、リコーダーを長期間毎日のように持ち運ぶ必要があれば最初からついていたほうが便利だし、そうでなければあまり必要はないというわけです。また持ち運ぶ量も学校ごとに違いがあるので、今の生徒の登下校の様子を見ておきましょう。
持ち手は、最近、持ち手付きランドセルが増えているので人気があるようですが、要は、ランドセルを背負わず手で持ち運ぶ頻度がどれくらいかということ。これも、学校での様子を聞いておくとよいでしょう。
安全のための反射材や防犯ブザーフックはついていたほうが安心ですが、後でつける方法もあります。
それよりは、子どもが使いやすく背負いやすいランドセルであることのほうが大切です。これに関係するのは、ランドセルの重さ、肩ベルトの形状や背カン(肩ベルトと本体をつなぐ器具)の性質、カブセ(フタ)の錠前の使いやすさなどです。これらの機能の詳細は、ランドセルのQ&Aで気になるところをチェックしてみてください。
とはいえ、使いやすさ・背負いやすさについても、先に書いた6年間修理対応のある日本のメーカー製であれば、それほど大きな違いはありません。ただ各社各様の工夫があるので、微妙な違いを比べたいのであれば、お子さまに実際に背負ってもらってください。背負いやすさに差が生じるのは、実はお子さまの体型が小さいときだけです。成長して背負い慣れてくると、気にならなくなるケースがほとんどです。
さきほど、「その他のことは、買ったあとでも何とかなる」と書きましたが、理由は、リコーダーケース、フック類、ランドセルに入りきらないものを入れるランドセルに取り付け可能なサブバッグなど、サードパーティからさまざまなアイデア商品的なものが販売されているからです。必要と思ったときに買えば十分なのです。
以上のようなわけで、あまり細かい機能に惑わされずに、3つの基本的なポイントをしっかり確認してください。そのうえで、お子さまの気に入った色やデザインのランドセルを自由に選ばせてあげるといいと思います。
2021/07/13
息子が好きなランドセルを買おうと思って、お店に何度か行ってみましたが、いつも違うタイプのものを「これ」と言い、「じゃ、これにする?」と聞くと、「うーん」と言うだけで、もう関心があっちのほうに飛んでしまいます。どうしたらいいか、わからなくなってしまいました。親が勝手に選んでいいのでしょうか?(32歳、男児の母)
親が選んでかまわないと思います
子どもが好きなランドセルを買ってあげようというママの気持ちは素晴らしいと思います。でも、息子さんにこだわりがない場合は、ママやパパが選んだランドセルを買ってあげてもかまいません。なぜなら、息子さんのことをいちばん知っているのは、ママ・パパだからです。
実は、展示会やお店に見に行ったとき、ランドセルにどれくらい関心を示すかは、一人ひとりの子どもによって大きく異なります。おしゃれに目覚めた女の子は、細かいところまでじっくり見たり何個も背負ったりしていますが、男の子の大半は、最初の5分か10分程度で飽きてしまうというのが実態です。ランドセルに飽きた男の子たちは、ランドセルをぶんぶん振り回したり、走り回ったりしているというのが毎年の傾向です。
ですから、息子さんの反応は、この年代の子どもとしてごくごく自然なこと。ランドセルを選ぶという行為自体が、まだピンときていないのです。大人でも、関心のないものを出されて、どちらがいい?と聞かれても、よくわからないのと同じです。
息子さんになんとか自分で選ばせたいと思うのであれば、買う時期を遅らせて、これから来年4月までの間に、来年は小学生になるんだというイメージが膨らむようなことをしてあげるといいでしょう。
小学校の近くに行ってみて、生徒が歩いていたら、「あなたも来年は、あんなふうにランドセルを背負って小学校に行くのよ」と話してみるとか、お友達の小学生に、「小学校ってどんなところ?」と話をしてもらったり、家でテレビを見ているとき、映像に小学生が出てきたら、小学校や入学にまつわる雑談をするといったことです。
自分は小学生になるんだという意識が芽生えると、ランドセル選びの姿勢もだいぶ変わっていく可能性はあります。ただし何をしても、いつまでたってもランドセルに関心が向かない可能性もあります。
ですから、何が何でも子ども自身がランドセルを選ぶべきと考えるのではなく、ママ・パパが、これがうちの子にはふさわしい、と思うランドセルを買ってあげてもいいのです。
そして、なぜこのランドセルを選んだのか、きちんと息子さんに話してあげましょう。関心がないようなふりをしていても、そういう親の言葉は、ランドセルそのもの以上に、しっかり息子さんの中に刻まれていくものです。
2021/07/8
幼稚園の友達が教育環境のいい区へ引っ越しました。確かにうちの近くは環境がいいとは言えないところです。うちも息子の小学校入学前に引っ越すべきか、夫と相談しているところです。でも、なかなか決断できません。どうしたらいいでしょうか?(40歳、男児の母、東京都在住)
引っ越したら後戻りはできません。詳細な検討が必要です。
環境の影響はどれくらい大きい?
東京では最近、教育環境のよいところに引っ越すご家族が増えているのは確かです。不動産広告には「○○区立○○小学校学区内」というコピーもよく見かけます。しかし、こういう風潮に流されて、なんとなく引っ越すのは、いいことではないと思います。
最大の理由は、個々の家族には個々の事情があるので、転居するときには、教育面だけでなく、あらゆる面を検討すべきだからです。
それにしても、子どもの成長に、地域の環境や通う小学校がどの程度影響を与えるのでしょうか。地域や学校の環境が個々の子どもに与える影響は、家庭や経済面と比べると、それほど大きくはないように思うのですが、いかがでしょうか。ママ・パパの経験からみて、地域環境がどれくらい影響があると思われますか。
「私の住んでいた地域は、そりゃもうひどくてね」なんていう思い出話をしてくれる優秀な人はたくさんいますし、逆境が人間性を高めたというケースもよく聞きます。親心としては、「少しでもよい環境」と思ってしまいますが、「少しでもよい環境」を求めるあまり、他の事情を犠牲にすると、その犠牲から生じる悪影響のほうが大きくなる可能性もあります(例:経済的に苦しくなる。親の外出時間が増える。疲れがたまるなど)。
住み慣れたわが家を変えるということは、家族全員にあらゆる面で大きな影響を及ぼす行為です。はっきりわかるのは、まず、経済的なこと。それにご両親の仕事や人間関係にもさまざまな変化が訪れます。今だけでなく将来も見通して、引っ越してよかったと思えそうかどうか、ご夫婦・ご家族で慎重に検討していただきたいと思います。
引っ越すメリットとデメリットを書き出す
ただどうしようかと迷っていても、なかなか答えは見つからないでしょうから、提案としては、引っ越した場合のメリット・デメリットを、細かいところまでいくらでも書き出して、書き出したひとつひとつの項目について、ご夫婦・ご家族で話し合ってみるのがいいと思います。
お子さまの教育面以外では、たとえば
・新居の取得費用と引っ越し費用が家計に与える影響(きちんと計算してみましょう)
・毎月の家計への影響(教育環境のよい地域は概して物価が高いので)
・ママ・パパ・その他のご家族の交友関係(つまり精神的なこと)への影響
・仕事のやり方や通勤への影響 etc.
お子さま自身にも、初めての環境に慣れるまでの時間が必要ですし、知っている友達がいない小学校に入学することは、多少なりとストレスとなるでしょう。こうしたことは、お子さまの性格・個性によっても判断が変わってくると思います。
それにどこに引っ越しても、担任の先生との相性、同級生との関係、PTAのことなどは、出たとこ勝負。新しい土地だと情報収集が難しいといったこともあります。
また教育環境がよいと言われている地域の多くは、中学受験率が高く、塾に行きたい・受験したいと子どものほうから言ってくるような地域でもあり、学校外の教育費がふくれあがって悲鳴をあげている家庭も多いようです。
教育環境のよい地域へ引っ越すことが、本当に子どものためになるのかどうか…あらゆる面を考え合わせて、ご家族全員の総意で決断されることを心から祈ります。ママ・パパどちらか一方の意見で強行することはだけ避けてくださいね。
2021/06/28
人工皮革のランドセルって、クラリーノのことだと思っていたのですが、ほかにも種類があるみたいです。どう違うのでしょうか?(38歳、女児の母)
ランドセルとして使う分には、ほとんど違いはありません。
人工皮革のランドセル=クラリーノという風潮があるのは、最初にランドセルで使われた人工皮革であり、現在も人工皮革のランドセルの大半がクラリーノ製だからです。
クラリーノは、その名からもわかるように、クラレという大手化学メーカーが開発した人工皮革です。その他ランドセルに採用されている人工皮革には、帝人コードレのコードレやタフガード、FILWEL(旧カネボウ)のベルビオ、東レのエアヌールなどがあります。会社名を見ればわかるように、いずれも有名な化学メーカーや繊維メーカーが開発した人工皮革です。
さて、個々の人工皮革によって違いがあるかどうかですが、すべてを同じ場所・同じ条件でじっくり観察すれば、質感や風合いの違いを見分けられるかもしれませんが、パッと見にはほとんど違いはないと言っていいと思います。
もちろん各社各様に、自社の人工皮革の優れている点をアピールしているので、より細かく違いを確認したいときは、しっかり実物を見て触ってみてください。革に詳しい人は違いを判別することができるでしょう。
性能・耐久性についても、いずれも6年間子どもが背負って問題がおきないレベルが確保されています。6年間保証のついているランドセルであれば、どの人工皮革製でも大丈夫です。
クラリーノとほかの人工皮革の違いとしては、クラリーノには風合い、光沢(パール素材など)や、耐久性などに特化した多数の種類があるのに対して、ほかの人工皮革には、それほど多くの種類はありません。ただ、そのことがランドセル選びを左右するかといえば、あまり影響はないでしょう。
ちょっと気をつけていただきたいのは、人工皮革ではなく、合成皮革という種類もあるということ。どちらも天然の革に似せて作られたものですが、人工皮革のほうが、より天然の革に近い風合いで耐久性もあり高価です。
合成皮革は安価ですが、人工皮革ほどの耐久性がないので、通常ランドセルには採用されません。ただ無名のランドセルや外国製のランドセルなどに出会ったときは、念のため確認しておくとよいでしょう。
2021/06/21
うちの息子は、なんでも聞けば答えますが、自分から話すことがほとんどありません。今は幼稚園にいい友達がいて、その子が積極的なタイプで、いつもその子についていっているという感じです。小学校に行けばその子と同じクラスになるかどうかはわかりませんし、とても心配です。(40歳、男児の母)
おとなしさを心配するより、良いところを伸ばしてあげましょう。
息子さんがおとなしい、友達の後をついていっている受動的なタイプであることを心配なさっているのですね。確かに、今の日本はかつてないほど、積極性が重要視されるようになっています。昔ならおとなしくていい子と言われていた子が、評価されにくくなっているような傾向があります。
でも、息子さんが、これからもずっとおとなしくて受け身な性格のままでいるかどうかはわかりません。あるとき、びっくりするほど変貌するのが、成長期の子どもの特徴だからです。今現在の息子さんのおとなしさは、もしかしたら、嵐の前の静けさかもしれないということを、まず了解しておいてください。
もちろん言葉が少ない、自分からどんどん出て行くタイプではないのが、息子さんの天性の性格の可能性もあります。でも、それっていけないことでしょうか。人は皆違って当然です。それぞれに性格・個性があるのが人間です。それを世の中標準から離れているからといって、「よくない」としてしまうのは、なんだかとても悲しいことだと思いませんか?
受け身な子というのは、反面、慎重な子であり、周囲を気遣うことができる優しい子でもあります。まずは、そういったよい面を評価してあげることから、始めてみてはいかがでしょうか。
このままでは小学校に入ってお友達ができにくいのでは?と心配されているように見受けられますが、今からそんな心配をする必要などありません。おそらく十中八九、心配してバカをみたということになると思います。
それよりは、息子さんが、どんなことなら自分から積極的に取り組みたいと思うのか、調べてみてはいかがでしょう?
子どもが10人いれば、その中には必ず友達づきあいが下手な子、一人が好きな子が数人います。そういうタイプの子の多くは、自分が好きなことに一人で夢中になっています。たとえば虫が好き、鉄道が好き、恐竜が好きといった感じです。好きなものに夢中になっている子どもの目はキラキラ輝いています。友達といるより、好きなものと一緒に過ごす時間が好きなのです。
子どもは、自分の好きなことに夢中になっている間に、驚くほどの情報や知恵を吸収していきます。おとなしい息子さんの心の中にも、きっと何かに夢中になる情熱が隠れているはずです。お母さまなら、すでに、これかな?と思うものがあるのではないでしょうか。あれば、ぜひそんな息子さんが喜びそうな本や図鑑を買ってあげたり、博物館やテーマパーク、自然の中などに一緒に遊びに行ったりしてみてください。
好きなものに接すると、子どもは積極的になります。次から次へと知りたいこと、したいこと、ほしいものが見つかっていきます。自然と自分から発する言葉も増えていくはずです。
歴史をふり返っても、輝かしい業績をあげた偉人の多くが、世の中標準から見るときわめて個性的な性格の人でした。もしかしたら個性的な息子さんも、その一人になるかもしれません。世の中の風潮に惑わされずに、息子さんの他の子にはない良い面を見つけて、それを伸ばしてあげるように心がけていただければと思います。
2021/06/14
うちの夫はランドセルは使わせたくない、普通のリュックでいいと言っています。でも、近所のママ友は、小学生はランドセルを使うって決まりでしょ?と言います。本当のところはどうなんでしょう?(35歳、女児の母)
決まりではありません。習慣みたいなものです。
第二次世界大戦後、日本では、小学生のほとんどが、ランドセルを背負うようになりました。でも国や政府が、小学生はランドセルを使いなさいと法律などで定めたわけではありません。いつのまにか、小学生の間にランドセルを使う習慣が定着していったというのが本当のところです。
昭和の時代のランドセルは、B5版のノートや教科書がぴったりおさまるぐらい小さいサイズだったため、体格が大人に近くなった高学年の生徒の中には、背中にちょこっと乗っているランドセルがカッコ悪くていやだと、手さげかばんで通学する子もいたものです。当時は、それをとやかくいう先生も大人もいませんでした。
今の小学生は、卒業までしっかりランドセルを使っていますよね。おそらくランドセルが大きくなったことと、ランドセルの品質が向上したことが原因だろうと思います。
実は、1970年代頃、ランドセル廃止論が一世を風靡したことがあります。理由は、今風に言えば同調圧力への抵抗だったり、値段が高すぎることへの反発だったと聞いています。実際、その運動の結果、革製のランドセルではなく布製のリュックが定着していった自治体もあります。
そんな紆余曲折をかいくぐって、ランドセルは法律で定められてもいないのに、平成・令和と生き残ってきました。その原因を想像するに、おそらく大量の学習用具を持ち運ぶツールとして、なかなかよい選択だったからではないでしょうか。
最近、小学生のママたちから、「入学前の学校の説明会で、ランドセルを背負うのが決まりと言われた」といった話を聞きましたが、地域の公立小学校が、“ランドセルを背負わなければいけません”と強制するようなことはないと思います(受験して入学する私立や国立の場合は指定のランドセルがあります)。
おそらくほとんどの子どもがランドセルを使っている中、お宅のお子さんだけ違うのはよくないのでは?みたいな感じではないでしょうか。別に一人だけ違っていても、それが本人の選択であるなら、とやかく言う必要ないのですが…。
お子さま自身がランドセルはいやというのであれば、それでもランドセルを使いなさいと強制する必要はまったくないと思います。ただ手さげだと、加重が左右のどちらかに偏るので身体によくありません。ランドセルと同じように両肩に均等に負荷をかけられる布製のリュックのようなものを選んだほうがいいでしょう。
ご主人がランドセルはダメとおっしゃる理由がわからないので、なんとも言えませんが、大切なのは、お子さまの意向です。ランドセルにするかリュックにするか、親子で話し合って、子どもの気持ちを優先して決められるといいと思います。
リュックを選択した場合、もしかしたら入学予定の小学校から何か言われることがあるかもしれませんが、そんなときは、冷静な話し合いの場を持つように提案してください。そうして、これがわが子・わが家の選択であることを、落ち着いて、きっぱりお伝えになるとよいと思います。
参考までに「ランドセルの重さ、どこまで大丈夫?」をチェックしてみてください。「ランドセルのメリット・デメリット」をわかりやすく解説してあります。
2021/06/07
娘がネットで見たランドセルが気に入って「これじゃなきゃいや」と言っています。実物を見ないまま買っても大丈夫でしょうか?(29歳、女児の母)
店の信頼性・修理対応・子どもの体格がポイント。
ランドセルは、お子さま自身が気に入ったものを選ぶのが最善策です。娘さんが、何度見ても「これがいい」と主張するのなら、ぜひそのランドセルを選んでいただきたいですね。
もしかしたら実物が届いて、お子さま自身が想像していたのと違っていたということもあるかもしれませんが、こういう失敗は貴重です。小さいときの失敗体験は、その後必ず生きてきます。失敗だったと思ったお子さまと、どう対処するか話し合うことも親子体験として、得がたいものだと思います。
以上の原則をお伝えしたうえで、ネットだけで購入するときの注意ポイントを2つほどご紹介しましょう。ひとつめは、店や商品の信頼性、もうひとつは、わが子に合うかどうかです。
1,店や商品の信頼性を確認
まず、ネットショップがどんなお店なのか、確認してください。ランドセルを製造しているメーカーのオンラインショップや、メーカーでなくても毎年ランドセルを販売しているネットショップ(ランドセルナビのようなところ)、有名な大手の量販店であれば、大丈夫です。
これらのショップは、今年度製造の新商品か、前の年度以前の型落ちの商品(アウトレットなどと表示)かが、はっきり表示してあります。逆に言えば、新商品か型落ち商品かがページでわからないネットショップは信頼性が低いと考えてください。
いろんなジャンルの商品を売っていて、ランドセルがその一部でしかない無名のネットショップも、ランドセルに関する知識が乏しい可能性が高いので避けたほうがいいでしょう。
楽天市場やamazonといったモールの中に出店しているお店の場合も、個々のお店がどういうお店であるかを、会社概要のページなどで確認してください。
そのうえで、6年間の修理対応の保証がついているランドセルかどうかも、念のためチェックしましょう。ランドセル工業会の修理対応(上図参照)か、そのお店独自の修理保証がついていれば大丈夫です。
以上の基準に照らして信頼性が低いと思われるお店の場合は、目当ての商品のメーカーを調べ、同じ商品が信頼性の高いお店で売っていないか探してみてください。
どうもお店や商品が怪しいと思われる場合は、そのことをお子さまに説明して、あきらめてもらうほうがいいと思います。でも、このような事態にならないように、できれば最初から信頼できるネットショップだけを、お子さまに見せるようにしたいですね。
2,わが子に合うかどうか?
お店に行って実物をフィッティングしてみるのが最善策ですが、コロナ禍や仕事で、それができない方も多いでしょう。1で説明した信頼性の高いショップであれば、まったく合わないということはほとんどありませんが、以下の体型のお子さまの場合は、もしかしたらうまくフィットしない、背負いにくくて痛い、ということがあるかもしれません。
・身長約110cm以下
・身長は標準以上だがやせている
・なで肩
学習用具の大型化・大量化に伴って、ランドセルも大人の女性が背負ってもおかしくない大きさになり、このようなケースが起きてきました。ただ子どもの成長は早いので、うまく背負えないのは最初の1年程度です。各種ツール(左右の肩ベルトを胸のところでつなぐチェストベルトなど)や、親御さんの工夫で背負いにくさを軽減してあげれば、お子さまの成長がいつのまにか問題を解決してくれるでしょう。
とはいえ、子どもがランドセルに注目しているのは最初のころだけ。そのときに、背負いにくいというのは、あまりよいことではありません。
ランドセルの貸出サービスを実施しているお店であれば、ぜひ利用しましょう。あるいはお店に電話やメールで問い合わせて、実物があるところを教えてもらい、フィッティングに行きましょう。これらの対策ができないという場合は、そのことをお子さまにていねいに説明して、それでも買うかあきらめるか、親子一緒に判断してください。
2021/05/31
大の革好きの夫が、ランドセルにもヌメ革があることを知って、息子にはこれを買ってやると言っています。いいんでしょうか?(38歳、男児の母)
積極的にはおすすめできませんが、選択肢のひとつです。
●定期的なお手入れが必要
ヌメ革のランドセルが、一般のランドセルと大きく違うことは3つあります。お値段が高いこと、お手入れが必要ということ、それに重いということです。
まずお値段は10万円以上。一般の天然皮革(牛革)に比べても高くなっています。でも革好きのご主人が買うと言っておられるのだから、この点は問題ないですよね。
次にお手入れですが、最低でも月1回。それに濡れたときや汚れたときには、その都度ケアする必要があります。普通のランドセルには必ず施してある汚れ防止の表面加工がされていないからです。ヌメ革のランドセルの中には、お手入れグッズが付属している商品もあります。また、雨の日には必ずレインカバーで被うようにしてください。
ランドセルに限らず、ヌメ革の製品(大人用の財布やかばんなど)の魅力とは、手間暇のかかる昔ながらの天然成分・タンニンでなめしてあるため、革本来の自然な風合いと丈夫さが両立していることです。表面は傷がつきやすいものの、長期間の使用に耐える革でもあります。新品のときは明るいブラウンですが、手入れしながら使い続けると、少しずつ濃い色になり、きれいなツヤが増していきます。革好きの人たちは、「育てる革」とも言っているようです。
でも、こうしたヌメ革の魅力は、大人の中でも革好きの人たちのものであって、子どもが好む性質のものではないと思われます。この点が少々気になります。
加えてヌメ革のランドセルは、平均的なランドセルに比べると重たいのも確かです(だいたい1500g以上)。原因は、全体に本物の革を使っているためです。人工皮革は素材そのものが天然の革より軽く、牛革のランドセルでもふちなどに人工皮革を使って重さを軽減しているケースはよくあります。しかしヌメ革の場合、革の風合いを生かすことが大事ですから、そうしたことはほとんど行われません。ヌメ革のランドセルを強引に軽くしようとすると、逆にヌメ革のよさを損なうことにもなりかねないからです。
というわけで、特性が子ども目線のものではない、重たいという2つの理由で、ヌメ革は、子どもが背負うランドセルの素材として積極的におすすめできるものではありません。
●家族全員で話し合ってみよう
ただ実際には、毎年少数ですがヌメ革のランドセルが売れています。小さいうちから本物のいい革に親しんでほしい、他の子が持っていないランドセルを背負わせたいといった親御さんの願いからではないかと思います。
そんな親御さんの熱意が、お子さまにうまく伝わっていけば、それはそれで得がたい経験となるのではないでしょうか。たとえばパパとキッズでランドセルの手入れをするのが習慣になって、親子会話の機会が増えるといった具合です。それに重いといっても、ランドセルの中に入れる学習用具のほうがずっと重いわけですし、ランドセル自体の1kgに満たない違いなど、少し成長すれば気にならなくなる程度のものです。
このように考えてみると、「ヌメ革のランドセルを買う」というご主人の選択を、最初からダメと決めつけるのもよくないと思うのです。ここはやはり、実際に背負うお子さまも含め、家族でじっくり話し合ってください。ご主人にヌメ革への思いを聞いてみたり、手入れは誰が分担するのかを相談するなど、ランドセルをテーマに家族会話を続けていくことで、よりよい選択が見つかれば、よい思い出にもなるでしょう。
余談ですが、ランドセルナビが取材したとき、「小学生のときは重たいだけだったけど、あとになって、親がすごくいいランドセルを選んでくれていたことがわかった」と話してくれた大学生もいました。
2021/05/21
ランドセルを買う予定の近所のお店は、天然皮革だけで昔ながらの普通の肩ベルトです。ベルトが付け根から上を向いているタイプがいいと聞き、ここで買っていいのかどうか不安です。(35歳、女児の母)
そのお店でランドセルを背負ってみましょう。
確かに、今は、肩ベルトがいつも付け根から上を向いているタイプのランドセルが主流です。これは、身体が小さいうちでも、ランドセルがきちんと背中に密着するために考え出された形です。
試しに自分でランドセルを背負って見るとわかりますが、最初から立ち上がっている肩ベルトは、無造作に背負ってもランドセルが背中に密着します。それに対して昔ながらの肩ベルトは、背負い方が正しくなかったり、ベルトの調節が悪かったりすると、ランドセルが外側に傾斜して、背中との間に空間ができることがあります。
つまり、ランドセルと背中の間に空間ができない正しい背負い方ができれば、昔ながらの肩ベルトでも何の問題もないわけです。ただし、昔に比べて大きくなった今のランドセルは、小柄な子の場合、慣れないうちは背負うこと自体がなかなか大変なのも確かです。
そこでおすすめなのは、まずは実物のランドセルを背負ってみること。近所のお店なら、今でもお子さまと一緒に行って背負ってみることができると思います。できれば1リットルの水入りのペットボトル2個を持って行き、それをランドセルの中に入れて、お子さまに背負ってもらいましょう。すんなり背負うことができれば、そのランドセルでも問題ないと思います。
また、ランドセルのほうも、メーカーによって微妙に違う点がいろいろあります。肩ベルトが立ち上がっているかどうかだけでなく、肩ベルトの形状や長さ、付け根の背カンの形、ランドセル自体の重さなど、さまざまな違いがあるので、小柄な子、やせている子、なで肩の子は、購入前に一度背負ってみたほうがいいと思います。
逆に言えば、標準以上の体型の子の場合は、どんなランドセルでもラクラクと背負ってしまう可能性が高いということ。つまりは身体が小さいうちの問題なのですね。
というわけで、お子さまが小柄なほうだったら、実物をフィッティングしてみてから購入の決断をするのがおすすめ。それがなんらかの事情でできないのなら、肩ベルトが上を向いているタイプを選んだほうが安心です。
最後に、すべての方にお願いしたいのですが、どんなランドセルであれ、背中に密着させる正しい背負い方を教えてあげることと、肩ベルトの長さをちゃんと調節してあげること、このふたつは親の役割として覚えておいてください。
2021/05/14
夫とランドセルを買うお店でけんかになりました。私はやっぱりデパートの方がいいと思うのですが、夫は近くの大型スーパーでいいと言うのです。どう違うんだ?と聞かれて言葉に詰まってしまいました。実際のところ、デパートとスーパーでどう違うんでしょうか?(41歳、男子の母)
あまり違いはありません。個々の商品の製造元をチェックしてください。
スーパーでもデパートでも、売っているランドセルに大きな違いはありません。
ランドセルで粗悪品をつかまされない最低限の条件は製造メーカーの確認なのですが、日本のメーカーが作ったランドセルであれば、まず間違いありません。デパートもスーパーも大企業ですから、かたちだけをまねた粗悪品を売っている可能性はほぼゼロと考えていいでしょう。
スーパー&デパートが売っているランドセルのラインナップの違いは、どのメーカーから仕入れているかということと、個々にオリジナルブランド(例:イオンのオリジナルブランドは「かるすぽ」)のランドセルを販売しているということです。たとえてみれば衣料品と同じですね。
一般的にデパートはスーパーより高級品(高額の商品)を売っている印象がありますが、ランドセルの場合も確かにその傾向はあります。ですからより高級なランドセルがほしいならデパートのほうがいいかもしれません。とはいえ、平均的な価格のランドセル(人工皮革で4万円~7万円くらい)なら、デパートにもスーパーにもあります。
デパートで買う場合もスーパーで買う場合も、気に入ったランドセルを手にとったら、念のため6年間の修理対応の商品かどうか、商品タグなどでチェックしてください。おそらくほとんどの商品がそうなっていると思いますが、念のため確認しておきましょう。
そのうえでランドセルの造り、機能、デザインが、お子さまに合っているかどうかをしっかりチェックしてください。店員さんに、「このランドセルを作っているメーカーはどこですか? 壊れたときはどうしたらいいですか?」などと聞いて、ていねいに答えてくれるお店だと、より安心ですね。
2021/05/06
ランドセルはできるだけ軽いほうがいいと、ママ友たちは言っています。でも、どれくらい軽いといいのかわかりません。どれくらいの重さならOKなんですか?(38歳、一女の母)
わが子にとって適正な重さを見極めてください
今売っているランドセルで最も軽いのは、900g強~1000g。これは軽量化に特化したもので、一般の学習院型になると1100g前後です。いずれも人工皮革製です。逆に最も重たいのは、高級品の天然皮革・総コードバン製で1500gぐらいです。
その差は500g前後ですから、最も軽いランドセルに500mlのペットボトルを入れると、最も重いランドセルになります。人工皮革製のランドセルだけで比べると、いちばん軽いものと重いものとの違いは、だいたい350mlのペットボトル程度です。
確かに小さいうちは、500gでも軽いほうがいいかもしれません。それに、今の小学生がランドセルに入れている教科書やノート類は、ママ・パパ世代のときより大きく、数も増えているので、入れ物であるランドセルはできるだけ軽くしておきたいということもあるでしょう。
まず、ランドセルの重さについて知っておきたいことは、コチラを参照してください。
ただ、もっと大事なことがあります。それは、同じ年令の子どもでも、体格や体力には大きな違いがあるということです。実は、ランドセルの500g前後の違いより、こちらの違いのほうがずっと大きいのです。
ですから、ランドセル自体の重さより、わが子にとって適切な重さのランドセルを見つけてほしいと思います。
そのための方法ですが、まずは、ご自身で今のランドセルがどれくらい重いのか、お店や展示会で手に持ってみてください。A4フラットファイル対応になり、ママ・パパ世代のときよりずっと大きくなったランドセルですが、持ってみると意外に軽いと感じると思います。というのも、大人のバッグでこの大きさだともっとずっと重いからです。
売っているランドセルには必ず重さが表示されています。その表示を見て、軽いランドセルと重いランドセルでどれくらい違いを感じるか比べてみてください(自宅でやるなら、手持ちのリュックやかばんをランドセルの重さになるように重しを入れて試してみましょう)。おそらく、大人だとそれほど違いは感じられないでしょう。
さらに慎重を期すなら、水の入った1リットルのペットボトル2本をランドセルに入れて、お子さまに背負ってもらいましょう。もちろん正しい背負い方で。正しい背負い方は、コチラで確認してください。
お店でいちばん軽いランドセルといちばん重たいランドセルを背負ってもらい、感想を聞いてみましょう。入学1年~半年前の時点でペットボトル2本を入れて背負って重いと感じないのであれば、そのランドセルが1500gあったとしても問題はないと思います。
子どもはよく、気に入ったランドセルを軽いと言います。軽いほうを親が選んでくれると知っているからです。ですから、その言葉に惑わされずに、子どもの様子を見てどう感じているかを見極めてください。
実は、重さそのものより、正しく背負えているかどうかのほうが、体への影響はずっと大きいのです。今若者の間で流行っているダランとしたリュックの背負い方だと体に負担はかかるし、正しい背負い方よりぐっと重く感じます。ですから重さにこだわるより、正しい背負い方を教えてあげることのほうが大切です。
最後に、ランドセルナビのスタッフが、いろいろ見て回って実感した感触をお伝えします。参考にしてください。
ランドセルの重さに気をつけてあげたいのは、同い年の子の中でも小柄だったり、やせていたり、なで肩だったする子、それに体力があまりない子です。こうした子どもには、やはり軽めのランドセルを選んであげたほうがいいと思います。逆にいえば、平均かそれ以上の身長・体重・体格・体力の子であれば、それほど重さを気にすることはありません。ただし、どんな子でも、正しい背負い方だけはしっかり身につけるようにしてください。
2021/04/19
先日、初めて親子3人でランドセルを見にデパートに行きました。いろんな色のランドセルが並んでいて、息子にどれがいいか聞くとピンク色のランドセルを指さしました。えっ?と思いながらも背負わせてみると、とても楽しそうでした。でも本当に男の子にピンクを選んでもいいのでしょうか? とても不安です。(30歳、男の子1人の母)
気まぐれでなければ、買ってあげましょう
お母さまとしては、本人はピンクが好きでも、学校に行き始めたらいろいろ言われたりして、いやになるんじゃないかと心配なさっているのでしょう。その気持ちはよくわかります。
都内で小学生の登下校風景を見ていると、女の子はピンク、ラベンダー、水色など濃淡さまざま、ありとあらゆる色のランドセルを背負っていて、もはや主流の色はないといった感じですが、男の子は黒以外のバラエティが、紺、青、ブラウンあたりにとどまっています。ピンクなどの暖色系の色はほとんど見ません。ただ、以前ランドセルナビでとったアンケートを見ると、男の子でも赤いランドセルの子が少数存在していました。
さて、ランドセル選びの原則は、本人が気に入ったものを選ぶことです。これはとても大切なことで、その結果、本人が失敗したと思ったとしても、とてもいい経験になります。それに小さいときの失敗は必ず成長の糧になります。ですから、なんらかの事情でピンクのランドセルを諦めるとしても、必ず本人が納得したうえでの断念にしてください。
親御さんの心配は、子どもの好き嫌いはすぐに変化するということ。あるとき「これがいい!」と言ったとしても、そのときだけの気まぐれにすぎないかもしれないという心配です。
まずは、そこのところを確かめましょう。つまり、しばらくの間、買わずに待ってみるということです。ほかにもいろんなランドセルがあるから見てみようと誘ってみましょう。そして他の色のランドセル、ピンクでも淡い色、濃い色のランドセルなどを見せてあげます。お店や展示会に出かけてもいいし、ネットで見せてもいいでしょう。息子さんと、これカッコいいね、これってダメかな?などと感想を話し合ってみてください。
いろんなランドセルを見たあとでも、ピンクがいいという気持ちが変わっていなかったら、気まぐれや思いつきではなく息子さんの個性なんだと考えていいでしょう。もしかしたら、色に敏感なアーティスト的才能を持ったお子さんなのかもしれません。その場合は、息子さんが選んだピンクのランドセルを買ってあげてください。
女みたいだとか、へんだと言われることが絶対にないとは言えませんが、今は、ピンクのシャツやニットを着ている男性が珍しくない時代だし、最高級スポーツカーのフェラーリだってイメージカラーは赤です。男が赤やピンクを選ぶのは、少しもおかしいことではありません。それに夏休みに入るころには、周囲も慣れて気にしなくなるでしょう。親御さんが先回りして気にする必要はないと思います。
万が一、お子さんが何か言われて不安になることがあったら、そんなときは、「ママはピンクを選んだきみが大好きだし、自分の好きな色を堂々と背負っているきみはとてもカッコいいと思う」と、お子さんの感性を評価して、応援してあげてください。
2021/04/12
シングルマザーで働いていて、ランドセルに5万も6万も出す余裕はありません。より安くて、でも品質はいいランドセルの選び方を教えてください。最低、いくらぐらい用意しておいたらいいですか?(女児の母、29歳)
予算3万円でアウトレットを狙いましょう
ズバリ、アウトレットがおすすめです。最新モデルのアウトレットは通常秋以降に実施されるので、購入を急ぐ必要はありません。また1年型落ちのアウトレットなら春でも入手できます。これで最新モデルが、3万円以下で買える可能性がぐっと高くなります。
シングルマザーで仕事も忙しいと、お店に見に行く余裕もないかもしれませんね。その場合は、ネットでチェックしましょう。あらかじめ、つまり夏ぐらいまでに、前年にアウトレットを実施していたメーカーを複数見つけておくと、いよいよアウトレットが始まったというとき、選択の範囲が広がります。
実は、アウトレットといってもいろいろあります。品質が確かなランドセルを選ぶときのポイントは、6年間の修理保証があるかどうか。これはアウトレットで買う際にもちゃんと確認してください。
ネットには、ありとあらゆる商品を売っていてランドセルはその一部といったショップもあります。そういうショップはランドセルに精通しておらず、保証の有無や何年のモデルなのかも表示していない場合があります。こういうショップは避けましょう。そして、できるだけランドセルメーカーが直接実施しているアウトレットを選ぶようにしましょう。
少子化の現代、ランドセルの生産数は新一年生の人口を上回っているので、毎年アウトレットセールが行われています。アウトレットが通常販売と違うのは、人気モデル・少量生産のモデルが見つかりにくいということだけです。具体的に言うと赤や黒などの定番色は確実にあるけれど、ラベンダーやキャメルなどは見つかりにくいということです。でも品質には違いはありません。
なお、信頼できるランドセルは入学直前の3月にも売っているので、焦る必要はありません。ファッションのアウトレットと同じく、案外掘り出し物があるかもしれませんよ。
2021/04/05
うちの娘は3月生まれ。そのせいもあって幼稚園でもいちばん小さいほうで、とても小柄です。最近のランドセルはずいぶん大きいので心配です。どんなランドセルがいいですか?(女児の母、40歳)
必ずフィッティング。そして遅く買うほど安心です
売っているランドセルのサイズはほとんど同じ
今のランドセルは、親御さんのころと比べてとても大きくなっています。昔のランドセルは、高学年になるとランドセルが小さすぎて不格好に見えることもありましたが、最近のものは大人が背負ってもあまり違和感がないほどです。それだけにランドセル選びをする就学前の小柄な子が背負うと、大きすぎるのでは?と思うケースも確かにあります。
ただランドセルの大きさに、メーカー・ブランドによる違いはあまりありません。今売っているランドセルのほとんどが、A4フラットファイルが入るサイズなので、違ってもせいぜい1~2cm程度。ですからランドセルの大きさより、背負いやすさのほうを重視して、ランドセルを選んでいただきたいと思います。
背負いやすさに影響してくるのは、ランドセルの重さと、肩ベルトの形状、肩ベルトと本体をつなぐ背カンという部品など。ランドセルメーカーがもっとも力をいれているのもこの部分です。
まず重さですが、今のランドセルは人工皮革で1000g~1200g、天然皮革で1300kg~1500gぐらい。小柄だと軽めの人工皮革のほうがいいかもしれません。とはいえ、実際に背負うときにはランドセル自体の重さより、中に入れる学習用具の総量のほうが重くなります。ランドセル本体の100g~200gといった小さな違いにこだわって、気に入ったランドセルをあきらめる必要はないと思います。
体型にあっているか背負ってチェック
重さよりこだわっていただきたいのが、実際に背負ってみて肩や背中にフィットしているかどうかです。これが体感重量に大きく影響してきます。メーカーもいろいろ工夫していますが、子どもの体形はひとりひとり微妙に違うので、どうしても合う合わないがでてきます。小柄でも肩ががっしりしている子もいれば、なで肩で肩ベルトがすぐにはずれそうになってしまう子もいます。小柄なお子さまほど、購入前にしっかりフィッティングして確かめてください。※フィッティングの注意点についてはコチラ
なお、子どもは色やデザインが気に入ると、多少背負いにくくてもこっちがいいと言いがちなので、大人の目でしっかりチェックしましょう。
いちばんのおすすめはできるだけ遅く買うこと
そしてもっとおすすめしたいのが、できるだけ遅めに購入すること。というのも、この時期の子どもの成長はとても早い! 入学1年前の春にフィットしなかったランドセルが、半年たつと問題なくフィットするということもよくあるのです。
すでに特定の人気工房やブランドで買うと決めている方には、完売が心配で難しい選択かもしれませんが、そうと決めているのは、ランドセルを背負う主役の子どもではなく、親御さんのほうだと思います。だとしたら、子ども目線で指名買いをあきらめるのも、ひとつの選択ではないでしょうか。
2021/04/02
フィットちゃんのランドセルを使っているという近所の子どもが何人かいて、見せてもらったら、どうもメーカーが違っているみたいでした。同じフィットちゃんなのになぜ? どうなっているんでしょう?(男児の母、35歳)
共通しているのは「フィットちゃん背カン」です
フィットちゃんのランドセルとは、正確に言うと、ランドセル大手メーカー、ハシモトが開発・製造・販売している「フィットちゃんランドセル」のことです。※ただし、ハシモトがコラボ企画で製造した他社ブランドのランドセルも、製造がハシモトなので「フィットちゃんランドセル」になります。
しかし、他のメーカーのランドセルにも、フィットちゃんの表示がついていることがあります。ハシモト以外のランドセルでフィットちゃんの表示があるものとは、正確には「フィットちゃん背カン」がついているランドセルのことです。
ハシモトが「フィットちゃんランドセル」のために開発した背カン(肩ベルトと本体をつなぐ部品)の評判がとてもよく、ハシモトはこの「フィットちゃん背カン」を他社にも提供するようになりました。そして、「フィットちゃん背カン」を採用した他社のランドセルにも、フィットちゃんのロゴの使用することを許可したのです。
というわけで、フィットちゃんの表示があるハシモト以外のランドセルに共通するのは、「フィットちゃん背カン」を使っていること。それ以外の部分は、個々のメーカーが独自に開発・製造したランドセルになっています。
「フィットちゃん背カン」は、セイバンの「天使のはね」や「ウィング背カン」などと同じく、肩ベルトが根元から立ち上がっていて、小柄な子にも背負いやすく体感重量を軽減します。背カンとしては、この3つが今のランドセルの主流ですが、それぞれ細かい機能は違っているので、体格によって合う合わないがあるかもしれません。また、昔ながらの立ち上がっていない固定背カンのほうが快適と感じる子どもも一部にはいるでしょう。
ランドセルの背負いやすさや体感重量には、背カン以外にも肩ベルトの形状や素材など、さまざまな要素が関係してくるうえ、個人差もあるので、最終的には総合的に判断する必要があります。
そんな中、「フィットちゃん背カン」はとても信頼性が高く、安心できる選択のうちのひとつであることは確かです。
2021/03/25
ランドセルの値段、高いのか安いのかさっぱりわかりません。ママ友も、安いので十分という人もいれば、有名ブランドの高級品がいいという人もいます。ランドセルの値段が何で決まっているのか教えてください。(30歳、女児の母)
素材、作る手間、ブランドの3つで価格が決まっています
ランドセルの価格は、素材の違い、作る際の手間のかかり方、それに人気やブランドによって違ってきます。
ランドセルは、6年間修理保証のついている新製品(型落ちでない)の場合、だいだい3万円代から10万円ぐらい(一部20万円のものもある)ですが、素材の違いでみると、安いほうから人工皮革、牛革、コードバンの順番。高級天然革のコードバンだと7万円以上、牛革だと5万円以上、人工皮革が3万円台からあります。
人工皮革にもいろいろな種類があり、たとえば相当乱暴な使い方をしても大丈夫なクラリーノ・タフロックは、一般的なクラリーノより少々高め。といっても数千円程度です。
作る際の手間のかかり方は、たとえば刺繍がついているランドセルと、何の飾りのないシンプルなランドセルを比べてみてください。当然刺繍付きのほうが手間がかかりますよね。ですからその分高めになるというわけです。どれくらい手間がかかっているかは、実際のランドセルを見れば、おおよそのところは素人でも見当がつくでしょう。
最後の人気やブランドですが、正直、今はこれがもっとも価格に影響しています。そのわかりやすい例は、人気のスポーツブランドやファッションブランドのランドセル。ランドセルの場合、どんなに世界的に有名なブランドでも、実際に製造しているのは日本のランドセル専業メーカーの場合がほとんどです。つまりブランド側がデザインを提案し、ランドセルメーカーが製造するOEMスタイル。当然、ブランド代といったものが価格にオンされるわけで、市販商品を見ると1万円かそれ以上割高になっている印象です。
それともうひとつ、ランドセルメーカーとして他社より有名だったり人気だったりするところも、若干価格が高めに設定されている印象があります。
この3つのポイント以外に、ちょっと気をつけておきたいのが、国産かどうか。現在流通しているランドセルの多くは日本国内で作られていますが、ニトリのランドセルなど一部、外国で製造されている商品もあります。もちろん外国製のほうが若干安め。品質については、製造工程で厳しいチェックが実施されていれば国産にひけをとらないと言えるでしょう。ただ、ランドセルを使ったことがない外国人が作るのはやはり気になるという人も多いと思います。
以上が、ランドセルの価格に影響を与えているポイントです。ただし、あくまでもその年の新製品の場合。型落ちやアウトレットの場合は、ファッションと同様、その他さまざまな事情によって価格が決まってきますから、買う側にそれ相応のチェック能力が求められます。
2021/03/22
幼稚園のママ友の話に、「天使のはね」とか「フィットちゃん」といった言葉が当然のように出てきます。フルタイムで働く私は何のことかさっぱり。今更ママ友には聞けないので、教えてください。(35歳、女児の母)
ランドセルを背負いやすくする機能の名前です
どちらもランドセルを背負いやすくするために開発されたランドセル特有の工夫です。ランドセルを体にフィットさせて重心を安定させ、体に感じる重さを軽減するとともに、背負ったときの姿勢を正しく保つことを目指しています。
「天使のはね」は、ランドセルメーカー最大手のセイバンのランドセルに搭載されているものです。「フィットちゃん」は、同じくランドセルメーカー大手のハシモトが開発したものです。
まず、「天使のはね」について。セイバンのランドセルには、すべて肩ベルトの付け根部分に、はねの形の樹脂パーツ「天使のはね」が内蔵されています。これによって肩ベルトが根元から立ち上がり、肩と背中に密着。高い位置で重心が安定し、体感重量を軽減してくれます。この「天使のはね」は、セイバンのランドセルだけに内蔵されています。
これに対して、「フィットちゃん」は、ランドセル本体と肩ベルトをつなぐ金具(背カン)に独自の工夫を施し、肩ベルトが根元から立ち上がるように設計されています。この背カンを「フィットちゃん背カン」といい、効果は「天使のはね」と同じく体感重量の軽減と正しい姿勢の維持です。この「フィットちゃん背カン」は、ハシモト製のランドセルだけでなく、他社のランドセルにも採用されていて、商品には必ず「フィットちゃん背カン」であることが表示されています。
実は、ほかにも、同じ目的で開発された「ウィング背カン」というものがあります。こちらも多くのランドセルメーカーによって採用されています。カザマランドセルの特許取得「ポニーテール背カン」も同じ目的で独自に作られたものです。
「天使のはね」「フィットちゃん」「ウィング背カン」などに共通なのは、肩ベルトの根元が立ち上がっていること。見ればすぐにわかります。さらに詳しく見ると、肩ベルトの根元が横に動くようになっていることもわかります。詳細はコチラ→ランドセルは動く背カンのほうが背負いやすいってホント?
今の主流は、これらの肩ベルトが立ち上がってみえるタイプのランドセルです。「天使のはね」「フィットちゃん」「ウィング背カン」3者の違いは、コチラ→ランドセルの背カン。連動型と非連動型ではどっちがいい?をご覧ください。
もちろん、ランドセルの背負いやすさや軽く感じるかどうかには、肩ベルトの形状や背当ての素材などその他の要素も影響します。ですから、昔ながらの肩ベルトの根元が立ち上がっていないタイプのランドセルが100%ダメというわけではありません。詳細はコチラ→ランドセルの肩ベルトは立ち上がっていたほうがいい?
2021/03/17
ママ友が、ランドセルは学習院型よりキューブ型を買うべきと言っていました。コンパクトでおしゃれだからと。私はまだキューブ型って?学習院型って学習院が使っているの?ってレベルの初心者ですが、このママ友の意見は正しいのでしょうか? (32歳、男児の母)
学習院型、キューブ型、どちらでもOK
学習院型というのは、ママ・パパが背負っていたランドセルのこと。もともと学習院が採用したこの形が全国に普及してランドセルとして定着したため、学習院型と呼ばれています。キューブ型は、学習院型から派生して、最近普及し始めたランドセルの形です。でも、パッと見ただけでは学習院型との違いはわからないでしょう。
違いは、肩ベルトがついている背当てとサイド(大マチ)の縫い合わせ部分を見たらわかります。学習院型は縫い合わせ部が出っ張っています(へり)。キューブ型は出っ張っておらず、くるむように縫い合わされています
へりがないキューブ型は、その分コンパクトになります(横幅約1~1.5cmくらい)。重さも若干(50gくらい)軽くなります。反対に学習院型は、へりを合わせてガッチリ縫い合わされているので型崩れしにくく、へりが出っ張っているおかげで本体が傷つきにくいと言われてきました。
ただ、重さや機能に大きな差はありませんし、耐久性についても、キューブ型だからといって心配する必要はありません。ここ数年、キューブ型がどんどん増えているのに、トラブルの話はとんと聞きません。よほど乱暴な使い方をしない限り、耐久性の違いもわからないのではないかと思います。
学習院型かキューブ型かというのは、ランドセルを選ぶ際の優先ポイントにしないほうがいいと思います。理由は、21世紀になってから登場したキューブ型は、商品数が増えているとは言え、まだまだ作っているメーカーが少ないからです。キューブ型に限定してしまうと、ランドセル選びの選択肢がだいぶ窮屈になってしまいます。
キューブ型は、確かに学習院型より少しばかりコンパクトで、すっきり見えます。ただランドセル全体のすっきり感は、色やその他のデザイン要素も含めての印象ですよね。キューブ型に限定したい方は、まずはネットでキューブ型を作っているメーカーを検索してみてください。
ランドセル選びは、学習院型とキューブ型の違いを知ったうえで、その他の要素も含めて総合的に判断していただきたいと思います。実際に背負うお子さまが気に入ったランドセルこそ、ベストなランドセルです!
2021/03/15
乱暴者の次男は、おもちゃでもなんでもすぐに壊してしまうやんちゃ坊主。とても元気で明るいのはいいのですが、モノをていねいに扱うことが、いくら言ってもできません。そういう男の子でも大丈夫なランドセルってありますか? たぶんブルンブルン振り回すんじゃないかと思うんですが…。(40歳、2児のママ)
クラリーノ・タフロックを選ぼう
やんちゃ坊主におすすめのランドセルは、ズバリ、素材がクラリーノ・タフロックのランドセルです。クラリーノ・タフロックという素材自体、元気なやんちゃ坊主向けに作られた人工皮革なのです。ですから、牛革などの天然皮革、その他の人工皮革すべてと比較しても、断然丈夫! あるママは、「タフロックは、猫が爪でひっかいてもキズがつかなかった」と言っていました。
クラリーノ・タフロックのランドセルは、人工皮革のランドセルを作っているメーカーの多くが男の子向けのモデルで採用しています。一般のクラリーノ素材より少しばかり高くなっていますが、気になるほどではありません。タフロック素材のランドセルの中から、やんちゃ坊主お気に入りのモデルを選んでください。
さて、男の子の乱暴な使い方でよくあるのは、ブルンブルン振り回すことと、ランドセルを倒してその上に座ってしまうこと。しっかり作られたランドセルなら、低学年の男の子レベルの力で振り回すぐらいでは壊れません。でもドスンと勢いよく座ると、座り方によっては型崩れをおこしてしまうかもしれません。ただ、そのことも多くのメーカーは想定済み。各社、本体側面に型崩れ防止のさまざまな芯材を入れています。よほどのことがない限りぺしゃんこにはならないでしょう。
とはいえ、クラリーノ・タフロックも型崩れ防止の芯材も、やんちゃ坊主のアッと驚く使い方に100%対応できるわけではないでしょう。だからこそのやんちゃ坊主なんですから。
クラリーノ・タフロックを選んでもなお壊してしまったというときは、わが子のやんちゃぶりに降参して、修理に出すか新しいランドセルを買ってあげましょう。今どき、そんなに元気な男の子は本当に少ない。将来大器になるかもしれません。そんなふうに考えてみることをおすすめします。
2021/03/12
ランドセルってだいたい似たようなものだと思っていたのですが、ママ友の話だと今はいろんな色やデザインがあるし高級なものからすごく安いものまであるみたい。ファッションと同じで迷いそうなので、まずは絶対に買ってはいけないものがあれば、教えておいてください。(32歳、女児のママ)
品質保証のないランドセルはNG
●怪しげなネットショップはご用心
「買ってはいけないランドセル」とは、子どもが使ってトラブルになる可能性が高いランドセルのことだと思います。使うのが子どもですから、いいかげんな造りだったり素材が粗悪品だったりするものは、大人以上に避けるべきですよね。
ただランドセルの場合、子どもの体にダメージを与えたといった問題が起きたら、子ども向け商品だけに大騒動。売る側に大きなダメージを与えますから、粗悪品はそれほど多くは出回っていません。ただネットショップには怪しげなお店もあるので、きちんとどんなお店がチェックする必要があります。
●修理保証がついていたら大丈夫
「買ってはいけないランドセル」を避けるいちばんの方法は、6年間の修理保証がついているかどうかです。業界団体であるランドセル工業会の修理保証のタグはランドセルそのものについているのでチェックは簡単です。ほかにメーカー独自で同じような修理保証を付けているところもあるので、その場合もOKです。
ただ、この保証のないランドセルがすべて「買ってはいけないランドセル」になるわけではありません。社会的に信頼できるメーカー・工房が作っているランドセルであれば、ほとんどは6年間持ちます。
気をつけるべきは価格が1万円程度かそれ以下で保証のないランドセルと、型落ちで安くなっているランドセルです。たとえば5年前に発売されたランドセルが得体の知れないネットショップで激安で売っているかもしれません。人工皮革の場合、素材メーカーの品質保証期間は10年程度ですから、5年前の商品であれば、残りは5年。6年生まで持ちませんから、この種の型落ち商品も「買ってはいけないランドセル」に入るでしょう(型落ちでも1、2年前のものなら大丈夫ということ)。とはいえランドセルを多数売っているリアル店舗やネットショップなら、こうしたことはほとんど行っていません。
あとは、オークションやフリマで中古のランドセルを購入する場合。これは「買ってはいけない」かどうかわかりませんが、ともあれ自己責任というしかありませんね。
2021/03/08
友達のお姉さんの刺繍付きランドセルをみて以来、娘は小学生になったらこういうの!と夢見ているようす。逆に高級志向の姑は、老舗工房の牛革を買ってやると決めています。刺繍付きの牛革はないようなので、どうしたらいいのかと…(35歳、女児のママ)
背負う本人がほしいランドセルがいちばん
確かに女の子にはかわいらしい刺繍がついているランドセルが人気です。そして刺繍があるのは人工皮革がほとんど。素材の性質の違いで天然皮革のランドセルはほとんど刺繍がありません。
そこで最初に申し上げたいことは、大人であれ子どもであれ、使う本人が気に入ったものを選ぶのがいちばんということです。ただ、子どもはすぐに気が変わるから…と思うのであれば、お子さまの気持ちがどれくらいのものか、いろいろなランドセルを見せてチェックしてみてはいかがでしょう? 特に女の子は、この年令でもしっかり自分の好みを語れる子が多くいます。ママの趣味とバッティングしてけんかしている光景もランドセル売り場ではよく見かけます。
そんな娘さんの気持ちを把握したうえで、お姑さんに正直に告げることです。関係が良好でない場合は難しいかもしれませんが、もしそうなら、お姑さんも一緒にランドセルを見に行く機会を作ってみてください。遠方で無理ならば、娘さんが直接おばあさまに、こんなランドセルがほしいと告げられる機会を作ってみてください。さすがのお姑さんも、かわいい孫に直接言われると降参してしまうかもしれません。
意地悪く最悪のケースを想像してみると、「あなたの育て方が悪いから、こんな下品なランドセルをほしがる子になった」なんて嫌みを言われる可能性もなきにしもあらずですが、そこはじっとガマン。我慢して聞き流して、娘さんがほしがるランドセルを買ってあげてください。子どもの気持ちを誰よりもわかってあげられるのは、親です。そして姑とママの関係より、娘とママの関係のほうがずっと大事です。
とはいえランドセル選びで、お姑さんとの関係を悪化させるのもよくありません。お姑さんの気持ちを逆立てないように、大人な対応をしておきましょう。たとえば、心にもなくても、「娘がわがまま言って申し訳ありません」と言っておくといった感じで。
2021/03/05
初孫のせいか、こちらからお願いする前に両方の祖父母が、「ランドセルを買ってあげる」と言ってきました。こういうとき、どうするのがいいんでしょうか? 2つ買ってもらうわけにもいかず、なんか気が重くなってしまいます。(41歳、男児のママ)
片方にランドセル、他方に同等の贈り物をお願いするコツ
●費用だけ出してくれるのかどうか?
3世代の関係性はさまざま。双方の祖父母ともざっくばらんに話ができるなら、片方に買ってもらい、他方には違うものをお願いすればいいわけですが、そういうケースは案外少ないようです。
ただ、気を遣ってしまう祖父母であっても、孫の新入学をお祝いしたい気持ちは本音です。ですから、どちらかを選ぶことで関係性が悪化しないように、上手に交通整理していただきたいと思います。
その前に、大事なことを確認しておきましょう。それは、祖父母の意向が、ランドセル選びは親子に任せ、費用だけ出してくれるということなのか、それとも祖父母も一緒にランドセルを選びに行きたいということなのか、はたまた祖父母が独自に選んで購入してプレゼントしてくれるということなのか、ということです。
その際、いちばん優先したいのは、主役である子どもの気持ちです。
●祖父母の感覚をチェック
祖父母だけで選んだものをプレゼントされても、子どもが喜ばない可能性があります。ランドセル事情は変化していますから、高齢の祖父母だと今の時代にそぐわないものを選んでしまうかもしれません。たとえば、人工皮革は天然革に比べて品質が悪いという昔の通説を今も信じている方もおられます。
祖父母の感覚がずれていると感じるときは、ぜひランドセルナビ作成の小冊子「ランドセル購入作戦」をじいじ・ばあばに見せてください。また「ランドセル3000人アンケート」のページもおすすめです。
そして、「今の子は、自分の気に入ったモノでじゃないとダメなんですよ」といった言い方で説得して、お金だけ出してもらうか、3世代一緒に選ぶスタイルにもっていきましょう。
●関係が悪くならない言い方でランドセル以外のものを
さて、そのうえで、どちらの祖父母に買ってもらうか? 交通整理の方法を考えてみました。
両方ともお金だけ出してくれるということなら、両方に、「ランドセル購入にあてました」と言ってごまかすこともできます。でも、それって、いつ何時ばれるかもしれませんから、やっぱりダメですよね(お子さまがうっかり話してしまう可能性大)。
そこで、「あちらのばあばも買ってくれるということなので、できれば他のものにしていただけませんか? 小学生になるとランドセルのほかにもいろいろ物入りで…」と、同程度の費用がかかるものをお願いするのがいちばんだと思います。どちらを選ぶかは、関係性で選択してください。
ランドセル以外で必要なものとは、たとえば勉強机、本棚、ランドセルラック、入学式のファッション、家庭学習セット、それに入学と同時に塾に行くならばその費用など、本当にいろいろあります。どれかを援助してもらえれば、本当にありがたいものです。
お子さまが、どちらかのばあば・じいじと一緒にランドセルを買いに行きたいというケースもあるでしょう。そういうときは、その気持ちを尊重してあげましょう。そして他方の祖父母には、親の力量でうまく言いつくろうことも必要です。「実は、この前会ったとき、そんな話になりまして…。本人がその気になっているものですから、申し訳ないのですが…」と。さらに、「実は、うちの子、小学生になるんだから○○○をほしいと言っているんです」いうふうに話をつなげていくとよいと思います。
ランドセルナビは、ランドセル選びを単なる商品選びとは思っておりません。わが子の新入学というとても大事なイベントを象徴するのがランドセルです。入学前のワクワク感を高め、学びの世界に入っていくわが子にエールを送るランドセル選びなどの入学準備に、ばあば・じいじも参加してもらい、より大きな喜びを3世代で分かち合っていただきたいと思います。
2021/03/01